二輪車市場動向調査、「三ない運動」の方向転換…ほとんど認知されず

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二輪車市場動向調査、「三ない運動」の方向転換…ほとんど認知されず
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日本自動車工業会は、2013年度に実施した二輪車市場動向調査の結果をまとめた。

調査は、多様化する二輪車市場の変化を捉えるため、隔年ごとに新車購入ユーザーを対象にアンケート調査を行っているもの。この調査と同時にトピック調査として、二輪車市場を取り巻く諸問題についても調べた。

今年度のトピック調査では、二輪車市場が直面している長期的な需要減少に関わる、「『三ない運動』方針転換時点における中高生層意識の把握」、「各種規制の国際基準調和導入の認知度と購買行動」、「消費税増税に伴う市場の動き」などの実体を明らかにし、需要の減少に歯止めをかけるための要因分析を行った。

二輪車新車購入ユーザー調査の特徴は、性年代別で見ると、男性は「10代」「20代」「30代」の比率が年々減少している。女性は2009年度以降、横ばいが続いているものの、50代以上は60%を超えた。

購入した二輪車のタイプ・排気量別では、スクーター、ビジネスの50cc以下で50代以上の占める割合の上昇傾向はさらに顕著になっている。

購入形態は「代替」が59%と前回調査から2ポイント上昇した。「新規購入」は15%と前回調査と横ばい。時系列では依然新規購入が減少傾向にある。

代替ユーザーの使用年数は「平均6.6年」と、前回調査の6.1年から上昇し、長期保有傾向が高まっている。特にスクーターの50cc以下でその傾向が顕著となっている。今後の継続乗車意向は88%で、前回の87%からほぼ横ばい傾向ながら、9割が二輪車には継続して乗りたいと考えている。

トピック調査では、高校生に対して「免許を取らせない」「買わせない」「運転させない」をスローガンとし、1970年代に愛知県で始まった運動が全国に広がっていった「三ない運動」の方向転換については、一般市民、中高生の親ともにほとんど認知されていない。

方向転換には、総論では賛成であるものの、自身の子どもが二輪車を運転することについては、特に母親に抵抗感が強い。中高生の状況についても、地域によって差はあるものの、親の時代よりもさらに「二輪車に乗ってはいけない」という規制が強まっている傾向がうかがえる。

将来、有望層のひとつとして「二輪車の免許を保有しながら、二輪車を保有したことがない人」の意識を把握したところ、65%の人が「何らかのきっかけがあれば二輪車に乗りたいと思っている」としており、二輪車に乗る気持ちがあって免許を取得したものの、経済的な理由や積極的な購入理由が見つからなかったことから、二輪車に乗らないまま過ごしている実態が浮き彫りとなった。

ただ、これらの人々は「すぐに二輪車に乗れる人たち」であり、これから免許を取得して二輪車を購入する人よりも、二輪車を購入するハードルは低いと見られる。

また、国際基準調和の認知について調べたところ、新規購入ユーザー調査では70%が「まったく知らない」と回答しており、認知度は低い。

国際基準調和が進展することへの期待では、大排気量層、オンロード、オフロードで「選択肢が増える」、「海外販売のモデルが購入可能」、「海外メーカーのモデルが購入可能」など、日本市場での選択肢が増えることが大きい。

中古車ユーザー、新規購入3年以上経過ユーザーでも同様の傾向が見られ、中古ユーザーでは「価格が下がる」ことへの期待も高い。

消費税増税を前にした駆け込み需要の調査では、消費税増税の詳細情報を知らせる前に次期車の購入予定を聞いたところ、中古車保有の11%、新車購入3年以上の15%が2014年3月末(消費税5%)、2015年9月末まで(消費税8%で、それ以降は10%になる予定)に中古車保有の20%、新車購入3年以上の26%が買い替えを検討している。増税前に買おうという意識は少なからず存在する。

消費税増税に伴う行動について、中古車保有、新車購入3年以上の半数前後が「影響を与えない」と回答しており、「購入・買い替えを早める」が20%前後であることを考えあわせると、半数程度は「予定通りの買い替え」であり、駆け込み需要ではないと推定される。

《レスポンス編集部》

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