【澤田裕のさいくるくるりん】荒川の減速舗装にみる、自転車規制の混沌

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荒川の緊急用河川敷道路に施された自転車を減速させるための舗装
荒川の緊急用河川敷道路に施された自転車を減速させるための舗装 全 5 枚 拡大写真

このコラムで紹介した荒川の緊急用河川敷道路において、新たな動きがありました。国道4号線の千住新橋との立体交差を前後する3か所に、自転車を減速させるための舗装が施されたのです。

【画像全5枚】

車止めや段差といった物理的な障壁を設けて減速や一時停止を促す取り組みは、この荒川に限らず各地に見られます。なかでも調布市内の多摩川サイクリングロードで2010年に設置された段差舗装は、高さが2センチもあって走行する自転車に与える衝撃は大きく、ハンドルが左右に取られる、あるいはハンドルから手が離れるといった危険性が指摘され、改善を求める声が上がりました。

緊急用河川敷道路を管理する荒川下流河川事務所に話をうかがったところ、今回は同じ多摩川でも府中市内の事例を参考にしたということで、路面が突起しているよう錯覚させるイメージバンプ(写真参照)と高さ0.5cmの滑り止め舗装(写真参照)とが組み合わされています。私が実際に時速20kmほどで走行したところ、懸念された衝撃がハンドルの操作に影響を及ぼすことはありませんでした。

減速舗装は本末転倒?

ただ、こうした物理的な障壁を設けることについては、サイクリストの中でもさまざまな意見があります。その代表といえるのが、この道を共用する歩行者を思いやる心を持って各自が進んで判断すべきことであり、事故の原因になりかねない障壁を設ける規制は本末転倒だというものです。

確かに大阪の「北河内自転車道」に見られるような、自転車から降りてもぶつかってしまう車止めは論外にしろ(写真参照)、年齢による制限も免許による制限もなく誰もが利用できるうえ、信号無視や逆走など重大な違反行為が目に余る自転車に対しては、あらゆる乗り手を想定した対策をとらざるをえないとも感じています。特に歩行者が横断するような衝突や接触の危険が高い場所では、その必然性は高まります。

全体安全とサイクリストの意見の狭間、ギリギリを突いた

そういう意味で今回の施工は、誰彼を問わず一律に減速を促すことと、それによってサイクリストが被る危険や不快感の増大とのバランスに考慮した、ギリギリの判断であると思われます。試験的ということで、将来的に変更される余地も残されています。

一方でこの緊急用河川敷道路には、自転車と歩行者を明確に区分する路面表示がなされていません。緊急時の復旧や救援での利用が前提であって、平時におけるこの両者の利用を副次的なものとする建前があるからでしょうが、区分を明示してこそ自覚が促され、ルールやマナーを遵守することにつながるというもの。事務所の英断を望みます。

《澤田裕@CycleStyle》

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