【UDトラックス クオン 改良新型】燃費のために下り坂ではニュートラル?…ESCOTロールを試す

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新型クオンの試乗テスト
新型クオンの試乗テスト 全 6 枚 拡大写真

UDトラックスが開催した新型クオンの発表試乗会。実測燃費で4%向上させたという運転アシストシステムをテストコースで実際に体験することができた。

【画像全6枚】

試乗プログラムは、説明員が助手席に同乗し、アドバイスや機器類の操作を受けながらコース上を1周する。まずクリープ機能による坂道発進や坂道でのバックの体験、エコノミーE・Dモードの動作テスト、省燃費機能ESCOTロールによる下り坂での惰力走行、上り坂、減速時等での自動シフトチェンジの順でテストしていった。

最初のテスト項目のクリープ機能だが、そもそもESCOTはCVTや従来のATとは異なり、マニュアルトランスミッションのギアチェンジ操作そのものを自動制御する。トルクコンバータではないので、そのままギアを入れてもアクセルを操作しなければ動かない。しかし、これでは坂道発進やトラックターミナルでのプラットフォームへの寄せなど微妙な操作ができない(半クラッチがないため)。そこでESCOTでは、クリープ現象を制御プログラムで再現させている。試乗では、バックモニターをみながら白線をプラットフォームの縁に見立てて停止位置を調整するテストを行った。かなり微妙なアクセル操作にもイメージどおりの反応をしてくれた。

次はエコノミーE・DモードとESCOTロールのテストだ。前者では、燃費向上のためラフなアクセル操作でも最適なシフトチェンジを行ってくれるアクセラレーションリミッタの動作を体験する。後者のESCOTロールは、下り坂などでエンジンブレーキを利かせずギアをニュートラルにして惰力走行を積極的に利用して燃費を稼ぐというものだ。

MT車でエコドライブのために使うこともある技だが、いざ加速・減速するときや停止したいとき、ギア操作や回転数を合わせたりめんどうであり、下手をすると危険でもあるので、本来はあまり奨められないテクニックだ。しかしESCOTロールは、アクセルオフやブレーキ操作などで自動的に最適なギアにシフトしてくれるため、細かい操作を意識せず、坂がゆるくなって加速したければアクセルを踏み、減速したければブレーキを操作するだけだ。ESCOTロールでは、うまくニュートラルによる惰力走行を制御に組み入れている。

試乗コースはコーナーやアップダウンなどあり、本来であれば状況にあわせたアクセル操作、ブレーキ操作、ギア操作が必要なのだが、同乗者のアシストもあり確かにイージードライブを体感できた。しかも、これらの制御は無駄な燃料消費を抑えるようになっている。燃費王、UDISといったサービスを利用すれば、燃費運転のアドバイスや走行データのレポートなどが得られたり、運行管理の合理化、最適運転によるメンテナンスコストの低減が可能である。

しかし、アクセル操作やブレーキ操作に自動制御の介入が入ると、どうしても普段の運転とは違ったタイミングでのギアチェンジやブレーキングということになりがちだ。そのため、燃料消費では最適な加速、シフトタイミングでもドライバーにとっては違和感があるかもしれない。実際、加速時などもう少しひっぱって(回転を上げてからシフトアップ)もよいと感じることもあった。初心者や記者のように普段、大型トラックを運転しない人間なら、こういう運転が燃費がいいと思えば比較的受け入れられる余地があるが、今後はベテランドライバーのための制御のカスタマイズ機能など考慮してもよいかもしれない。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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