さて、目的地が手軽に検索&設定できることが明らかになったイクリプス Zシリーズの会話検索機能“CarafL(カラフル)”だが、このシステムを利用して、私たちのカーライフはどう変わるだろうか?今回はお台場から横浜みなとみらい地区へのドライブで検証してみることにした。
◆膨大できめ細かなスポット情報が検索できる
まずは、その検索機能の内容に注目してみる。ドライブの行き先に応じたレストラン検索やテーマパークなどのスポット検索の意図を汲み取る腕前は先に述べた通りだ。レストラン情報は『ぐるなび』や『ホットペッパー』、それ以外のスポット情報については『Yahoo! JAPAN』の膨大なデータベースから提供されているとあって、情報の質もきめ細かい。特にガイドブックに取り上げられているスポットは、細かなオススメ情報まで伝えてくれるので、実用性も高そうだ。
◆目的に応じたリクエストにも応える
一般的な行き先検索はさることながら、CarafLは話し手の目的に応じたリクエストにも応えてくれることに驚かされた。例えば、「お台場付近のコンビニに立ち寄りたいな」とか、「みなとみらいの展望台に行きたい」とか、「ランドマークプラザのATMに行きたい」、「24時間営業のガソリンスタンドは?」といった要望にもキチンと応えてくれる。場所と条件を一連のフレーズで話しても必要な条件を汲み取ってくれているようだ。
何より、こうした機能は緊急時にも頼りになる。「お腹が痛い」と言えば、対象地域の病院を検索することもできるし、「ペットの具合が悪い」と言えば、動物病院を検索。それ以外にも、仕事で先方と待ち合わせをしていて、時間に迫られている時など、タイムズやリパークなど、駐車場の空き状況の情報を利用して、目的地付近で停められそうな駐車場をあらかじめ探しておくこともできるだろう。ドライブは様々な外的要因や心理的なストレスがリスクを招くことがある。気持ちに余裕をもってドライブできれば、自ずと安全運転にも結びつくハズだ。
ただ、会話検索は全てに対応しているワケではなく、中には検索できない言い回しが存在する。例えば、首都高速を走行中に「トイレに行きたい!」という会話検索には引っかからなかった。考えてみれば、ナビ画面上には高速道路上のインターチェンジやSAやPA情報は表示されていて、乗り手は把握できるハズ。ある意味、検索する必要さえないものなのかも知れない。ともあれ、設定次第ではSAなどの特色を伝える情報を得ることもできるとのこと。知らない土地で広域情報を把握しておければ、「この先、どこで休憩しようか」と、ドライブ計画を立てる上でも役立ちそうだ。
◆使う楽しみを提供してくれるコンシェルジュ
また、さまざまなスマホ上の画面で使い手の要望に対応してくれる女性コンシェルジュのハルカちゃん自身についても、様々な設定ができるようになっている。発話設定のおしゃべりの内容については、色々な事を話すモードにしたり、使い手の事について聞くようにすることができるほか、おしゃべりの頻度は必要な時だけ話しかけるものから、よく話かけるモードまで、好みに応じて3段階の設定が可能だ。
それ以外にも、コスチュームの着せ替えが可能。ベーシックなものからご当地クローゼットなるものも存在して、訪れた地域で新しいコスチュームをゲットしてクローゼットにストックすることもできる。また、12月にはサンタ姿など、季節に応じた展開も見せるというだけに、長く向き合っていて楽しみがありそうだ。
コンシェルジュとの掛け合いは、知りたい情報を得る利便性だけでなく、ちょっとした悩みを打ち明けたり、ドライバーの独り言にも反応するようになっている。例えば、「ただいま」といえば「おかえり」と声を掛けてくれたり、「畜生!」と嘆いたら「もう少しソフィスティケートされた言い方でお願いします」とお叱りを受けたり、「同期に先を越された」と愚痴を言えば「ヤッター!抜き返すチャンス到来ですね」と励まされたりすることも。
◆だれでも使えるCarafL、今後の進化にも注目
使い手が便利に使えるシステムという枠を超え、向き合う楽しみや親しみやすさまで与えてくれるCarafL。これぞまさに道先案内人の役割を担うコンシェルジュに求められている資質といえるだろう。ユーザーに適度な距離感で歩み寄り、さり気なくフォローしてくれることが、ドライブをもっと楽しく、充実したものに変えていってくれそうだ。CarafL自体はナビを所有していなくても、だれでもダウンロードでき音声検索が利用できる。ドライブ前の準備や、出先の宿泊先で次の立ち寄り地を探す際にも活躍してくれるはずだし、もちろんナビ購入の前に試しに使ってみるというのもOKだ。
カーナビの音声検索は、これまでも様々なメーカーが取り組んできたシステム
だったが、乗り手が使いこなす機能として考えれば、目の付けどころ次第で可能性が拡がっていきそうだ。まだまだ発展していくシステムだけに、ユーザーの多種多様な使い方にいかにフィットさせていくかが今後の課題でもあり、その進化に注目していきたい。