日立レールヨーロッパはこのほど、同社が開発を進めている海外市場向け標準車両「グローバルA-train」シリーズのうち、英国市場向け「AT-200」の実物大モックアップを完成させ、7月21日にロンドンで約200人の鉄道関係者に公開した。
グローバルA-Trainは、日立レールヨーロッパが海外市場向けに開発を進めているセミ・オーダーメイドタイプの標準車両。日立製作所が開発した標準車両「A-train」で採用しているアルミニウム構体技術をベースに、欧州規格への適合や設計の最適化、部品点数の削減やさらなる軽量化を目指している。
AT-200はグローバルA-Trainシリーズの英国市場向け標準型近郊車両と位置づけられており、1両の車両長は23m。出入口は片側2カ所に設ける。走行する路線に応じて3~12両の編成を組むことができ、最高速度は160~200km/hとなる。電源方式は交流2万5000V、直流650~750Vに対応する。
車内には片支えシートとテーブル、荷物置場、トイレを設置。各座席にはUSBと電源ソケットを設ける。照明は全体に発光ダイオード(LED)を使用する。また、英国の高速車両として既に投入されているクラス395での経験を生かし、車両の主要機器をモニターしてリアルタイムに稼働状況などのデータの収集を行えるようにするという。
AT-200の製造は、英国ダーラム州ニュートン・エイクリフで建設中の工場で行う予定。日立製作所は「グローバルA-trainのラインアップを拡充させ、英国市場だけでなく、欧州市場や新興国市場にも展開していく」としている。