静止軌道の衛星に“レンタルスペース”…通信衛星メーカーが開発

宇宙 企業動向
DARPAの構想による、静止通信衛星相乗りシステム「PODs」
DARPAの構想による、静止通信衛星相乗りシステム「PODs」 全 2 枚 拡大写真

2014年7月21日、米衛星製造企業スペースシステムズ・ロラール(SSL)はDARPA(国防高等研究計画局)のプロジェクトに基づき、静止衛星の「空きスペース」を提供するシステムの開発企業に選定されたと発表した。

SSLが開発するのは、商用静止通信衛星の構体の一部を間借りして、別の観測機器や工学実証機などのミッション機器を搭載する、いわば衛星のレンタルスペース。ペイロード・オービタル・デリバリー・システム(PODs)と呼ばれ、同社の商用衛星バス「SSL 1300」プラットフォームに搭載する。政府系機関の要望にも、商用にも対応するという。

PODsは、DARPAの「フェニックス」プログラムによる、宇宙へのアクセスを低コスト・高頻度化する計画のひとつ。人工衛星の軌道の中でも、高度2000km程度以下の地球低軌道(LEO)は超小型衛星の相乗り打ち上げロケットの増加などによりアクセスする機会が増えたが、高度約3万6000kmの静止軌道へ低コストで到達する機会は少ない。商用通信衛星にミッション機器を相乗りさせることで、低コストに静止衛星へアクセスできるようになる。衛星のスペースを提供する通信事業者側にも、ホステッドペイロードから収益を得られるメリットがある。

《秋山 文野》

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