国立天文台、アルマ望遠鏡で冥王星と衛星「カロン」の位置を精密に測定

宇宙 テクノロジー
アルマ望遠鏡で観測された冥王星(中央)とその最大の衛星カロン出展:: B. Saxton (NRAO/AUI/NSF)
アルマ望遠鏡で観測された冥王星(中央)とその最大の衛星カロン出展:: B. Saxton (NRAO/AUI/NSF) 全 1 枚 拡大写真

国立天文台は、アルマ望遠鏡により、冥王星と衛星「カロン」の位置が非常に精密に測定されたと発表した。

今回の位置情報は、2015年に冥王星接近を予定しているアメリカ航空宇宙局(NASA)による冥王星探査機「ニューホライズンズ」の軌道修正に活用される。

NASAは、アルマ望遠鏡が測定した冥王星の位置情報と、冥王星発見時から現在までの可視光による観測データから求めた位置情報をもとに、ニューホライズンズ探査機の最初の軌道修正(TCM)を今年7月に実施した。適切な時期に適切な分量だけロケットを噴射することで、探査機を冥王星に向かう軌道に乗せる。

ニューホライズンズ探査機は、冥王星接近後、さらに遠くにあるエッジワース・カイパーベルト天体を探査する予定。今後の探査のためにも、できるだけ燃料を残しておきたい。それには、冥王星に向けた軌道修正でロケット燃料の消費を最小限に抑える必要がある。

このためには、冥王星の位置をできるだけ精密に求めておかなければならず、高精度な位置の基準を確立しておく必要がある。しかし、広い宇宙で、冥王星のような小さな天体の位置と軌道を精密に計測するための基準を確立するのは困難だ。

位置基準には遠くの星々を使う。それらは、長い年月が経過しても位置をほとんど変えないため、基準にして冥王星の天球上での相対的な位置を決める。

しかし、星々はわずかながら年々位置が変わることもあり、ニューホライズンズ探査機を正確に冥王星まで導くためには、より高精度な位置基準が求められていた。

観測チームは、冥王星の初観測を2013年11月に実施した。そして軌道を精密に決定するため、2014年4月に1度、7月に2度観測した。今後、さらに10月にも観測する予定。

天文学で天体の位置を測定するには、視差が使われる。視差とは、2地点から同じ物体を見た時、見かけ位置のずれのことで、三角測量と同じ原理。天体の位置を測る際には、地球が太陽の周りを移動することを利用して天体の見かけ位置ずれを測定し、そこから距離を計算する。

《レスポンス編集部》

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