エアロジェット・ロケットダイン…レール発射型の新型固体燃料ロケットに向け、第1段燃焼テストに成功

宇宙 テクノロジー
LEO-46の燃焼試験
LEO-46の燃焼試験 全 3 枚 拡大写真

2013年8月13日、 エアロジェット・ロケットダインは、米空軍のレール式小型衛星打ち上げロケット『Super Strypi(スーパー・ストライピー)』に向けたロケット第1段固体燃料モーターの燃焼試験に成功したと発表した。

今回、エアロジェット・ロケットダインが実施したのは、新型固体燃料モーターシリーズ『LEONIDAS(Low Earth Orbiting Nanosatellite Integrated Defense Autonomous System:レオニダス)』ファミリーのひとつで、ロケット第1段のモーター「LEO-46」の地上固定燃焼試験。直径約1.3メートル、全長約12メートルの第1段は、最大1334キロニュートンの推力を生みだす固体燃料モーターを73秒間燃焼させ、試験は成功した。

LEONIDASシリーズの第2段「LEO-7」は2012年8月に、第3段の「LEO-1」は2013年9月にそれぞれ試験を成功させており、全3段の固体燃料ロケットの試験が全て成功したことになる。3段を組み合わせて、250~300キログラムの衛星を地球低軌道に投入することができる。

固体燃料モーターを組み合わせた新型ロケットは、米サンディア国立研究所が運用する観測ロケット「Strypi」の発展型となる「スーパー・ストライピー」となる。スーパー・ストライピーは、打ち上げ時にレール式発射台を使用するという特徴がある。また、飛行の全行程をスピン安定式で姿勢を安定させるという。射点を固定させないレール発射システムやスピン安定により、打ち上げコストを大幅に抑え、衛星にとって宇宙の敷居を低くすることが目的だという。将来は自律的飛行安全装置やGPSによる追跡、自動飛行計画などの実現を目指しているといい、2013年にJAXAが打ち上げた日本の新型固体燃料ロケット「イプシロン」と設計思想の面で重なる部分があるといえる。防衛関係の衛星打ち上げだけでなく、教育や商業目的の打ち上げにも対応する方向だ。

スーパー・ストライピーの初打ち上げは2014年中を目指しており、軍事即応衛星打ち上げミッション「ORS-4」衛星と13機の相乗り超小型衛星を搭載し、ハワイ・カウアイ島の太平洋ミサイル射場から行われる予定だ。レール発射システムを用いた打ち上げでは、これまでで最大のものになるという。

《秋山 文野》

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