10月2日、フランスで開幕したパリモーターショー14。スウェーデンの高級車メーカー、ボルボカーズのブースの主役は、最上級SUVの新型『XC90』が務めた。
新型XC90の外観は、従来のボルボ車とは異なる新世代デザインを導入。斬新なヘッドライトに、縦基調のフロントグリルを組み合わせた。ヘッドライトには、T字型のランニングライトを採用。ボルボカーズは、「北欧の神話に登場する神、トールの持つ武器、トールハンマーがモチーフ」と説明する。
新型XC90の特徴のひとつが、ボルボカーズの新世代車台、「SPA」の採用。SPAとは、スケーラブル・プロダクト・アーキテクチャーの略。ボルボカーズが大型投資を行い、4年をかけて自社開発してきたモジュラープラットホームが、SPA。
SPAは、さまざまなボディタイプ、ガソリンやディーゼルエンジン、EVやプラグインハイブリッド車(PHV)などにも対応できる柔軟性を持つ。また、広い室内スペースを実現できるのも、SPAの売り。ボルボカーズは、「新型XC90では3列目シートにも身長170cmの乗員が快適に着座でき、真の7シーター車として使える」と自信を示す。
新型XC90のインテリアは、歴代ボルボ車で最もラグジュアリー性を追求してデザイン。レザーやウッドなど、厳選された素材を用い、スカンジナビアンテイストの新境地を表現する。中でも注目できるのは、シフトレバー。スウェーデンを代表するワイン&シャンパングラスメーカー、「オレフォス」のクリスタルガラス製シフトレバーが設定される。また、エンジンスタートボタンやオーディオの音量コントロールボタンには、ダイヤモンドカットを施すことも可能。また、ダッシュボード中央には、タブレット型端末のような大型ディスプレイを配置。各種情報やエンターテインメント表示を集約し、スイッチ類を極力減らした。
新型XC90では、エンジンのダウンサイジングを一気に進める。新型XC90用のボルボカーズの新世代エンジン、「Drive-E」は全て4気筒。先代の6気筒やV型8気筒は設定されない。Drive-Eの4気筒には、ガソリンとディーゼルがある。新型XC90ではこの4気筒エンジンのチューニングを変えることで、異なる出力特性を実現している。
ガソリンエンジンのトップグレードが、「T6」。ターボとスーパーチャージャーでダブル過給されるのが特徴となる。スペックは、最大出力320ps、最大トルク40.8kgmを引き出す。「T5」は、そのデチューン版。最大出力は254ps、最大トルクは35.7kgm。
最上級グレードの「T8」に搭載されるのが、プラグインハイブリッド・パワートレイン。このパワートレインは、「ツインエンジン」を名乗る。2.0リットル直列4気筒ガソリンエンジンは、ターボとスーパーチャージャーでダブル過給。このエンジンが前輪を駆動し、最大出力80psのモーターが後輪を駆動する4WDとなる。
PHVシステムはトータルで、最大出力400ps、最大トルク65.3kgmを引き出す。EVモードでは、最大約40kmのゼロエミッション走行が可能。その効果もあり、CO2排出量は、およそ60g/kmに抑えた。ボルボカーズは、「新型XC90では、パワーと燃費を比類なきレベルで組み合わせた」とコメントしている。