【ミシュラン X Oneユーザーミーティング】なぜ今、日本でワイドシングルタイヤなのか?…トラック業界の課題とは

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ミシュラン X Oneユーザーミーティング
ミシュラン X Oneユーザーミーティング 全 9 枚 拡大写真

ミシュランタイヤが運送会社やトラックメーカー、サプライヤーを集めた「X Oneユーザーミーティング」を開催した。同社のワイドシングルタイヤX Oneのアピールや業界交流が目的のイベントだ。

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しかし、トラック業界においてシングルタイヤは珍しいものではない。日本市場にも投入されている商品だが、これまでのところ広く普及したとは言えない状況である。にもかかわらず、また新開発の製品の発表でもないこのようなPRイベントを開催したのだろうか。この理由については、同イベントで行われたミシュランタイヤ 常務執行役員 ペルティエ・ドミニク氏のプレゼンテーションがヒントになる。

ドミニク氏のプレゼンテーションは「X Oneの今後」というタイトルで、日本市場での新しい取り組みについての発表と業界への呼びかけが内容だった。

まず、トラック業界が抱える問題としてドライバー不足とコスト削減があるとし、X Oneは次の4つの点でこれらの問題の解決策になり得るとする。第1にシングル化によるおよそ200kgの軽量化(とその分の積載量アップ)、第2に転がり抵抗低減や軽量化による5~9%の燃費改善、第3にシングル化によるスペース効率の向上、第4が保管・交換・ローテーションなどコストと手間の削減効果だ。

補足すると、200kg軽量化はアルミホイールとの併用となるが、ダブルタイヤの重量が1軸4本で400kgとすると、シングル化でほぼ半減させることが可能だということだ。燃費向上は、ラジアルタイヤやエコタイヤなどの技術革新で燃料効率を上げることが難しくなってきている中で、シングルタイヤ化は近年エネルギー効率アップに大きく貢献するアプローチとなっている。

スペース効率の向上は、プラットフォームから設計することがあるトレーラーの場合、荷台下の車軸周辺の空間が広がることで、荷台の取り方や各種機構部品の配置に自由度が増すということだ。

続けてドミニク氏は、これらの特徴はアメリカでの評価が非常に高まっているという。2006年ごろから2009年までは、リーマンショックの影響からかワイドシングルタイヤの出荷数が頭打ちになっていたのだが、2010年からは再び出荷数が増え100万本の売上を達成し、2014年には200万本に達する勢いだという。日本市場でも2013年からX Oneの売上が伸び始めており、シングルタイヤ市場は日本でも広がるとミシュランは見ている。

その根拠として、日本の大型トラックは後輪2軸、トレーラーもダブルタイヤが一般的で、トラックの構造が北米のトラックと似ており、シングルタイヤのメリットが出やすい市場だからだとする。北米市場のシングルタイヤ化のブームを受けて、日本にもシングルタイヤの波がくることを期待しつつ、その効果を改めて業界関係者に認知してもらおうと今回のイベントを開催した。

現状で、国内運送会社のおよそ1割がワイドシングルタイヤへの移行を始めているといい、ミシュランでは10年後までに約8,000台分(年間)の売上を見込んでいる。また、19.5、17.5、さらには都市型の15インチタイヤへの波及効果も目指しているという。

確かにシングルタイヤのコストメリットは高いといえる。耐久性などもダブルタイヤとそん色のない性能をだしているという。日本市場での普及は、トラックユーザーの荷重性能や耐久性への不安イメージをどれだけ払拭できるかにかかっているといえるだろう。

《中尾真二》

テクノロジージャーナリスト・ライター  中尾真二

アスキー(現KADOKAWA)、オライリー・ジャパンの技術書籍の企画・編集を経て独立。現在はWebメディアを中心に取材・執筆活動を展開。インターネットは、商用解放される前の学術ネットワークの時代から利用し、ネットワーク、プログラミング、セキュリティについては企業研修講師もこなす。エレクトロニクス、コンピュータのバックグラウンドを活かし、自動車業界についてもテクノロジーを中心に取材活動を行う。

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