JR西日本はこのほど、山陽本線で導入工事を進めている新しい運行管理システムを2016年春から使用すると発表した。列車集中制御装置(CTC)を導入するほか、旅客案内装置も整備する。
CTCは、複数の駅の進路制御などを「センター」と呼ばれる施設で集中的に制御する管理システムで、導入範囲は上郡(兵庫県上郡町)~三原(広島県三原市)間のうち両端の上郡・三原両駅を除く147.3km。駅で進路制御などを実施する岡山・西岡山(貨物駅)・糸崎の3駅と、進路制御などが不要な上道・高島・西川原・北長瀬・東尾道の5駅を除き、センターで進路制御を一括して行う。
CTCの導入にあわせて旅客案内装置も導入する。列車の運行情報に基づき自動的に案内表示や案内放送を行うようにするほか、ダイヤが乱れた場合も列車の遅延情報などを提供する。瀬戸~糸崎間の各駅と赤穂線の西大寺駅には発車標を整備し、詳細な列車情報を案内する。
JR西日本は新たな運行管理システムの導入により、ダイヤが乱れた場合に所定ダイヤへの回復にかかる時間を短縮できるほか、保守作業の安全性向上などの利点もあるとしている。