【F1】ビアンキ事故の調査委員会、報告書を提出…再発防止の安全策も提案

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ジュール・ビアンキ(マルシャ)
ジュール・ビアンキ(マルシャ) 全 6 枚 拡大写真

2014年10月に行われたF1日本GPで大クラッシュを喫し、今も意識不明の重篤な状態にあるジュール・ビアンキ(マルシャ)。この事故について調査委員会から報告書がFIA(国際自動車連盟)に提出された。

委員会のメンバーはロス・ブラウンやステファノ・ドメニカリといった元F1チーム代表などF1を始めとしたモータースポーツに従事する関係者10人で構成。報告書は396ページ分あるとのことだが、その一部がFIA公式サイトで公開されている。

雨天の中で行われていたF1日本GPの決勝レース。その終盤にあたる42周目にエイドリアン・スーティル(ザウバー)がターン7(ダンロップコーナー)でコースオフしタイヤバリアにヒットした。翌43周目に同じ場所でコントロールを失ったビアンキがコースオフ。スーティル車を回収中だった重機に激突した。

原因については、これまで様々な憶測が飛び交ってきたが事故調査委員会は「危険回避のため停車できるためのスピードまで減速すること」を促すダブルイエローフラッグ(黄旗2本の振動提示)の対応がされていたにも関わらず、ビアンキが十分にスピードを落としていなかったことを指摘している。

またスーティルがクラッシュした際にセーフティカーを出動させてコース全域で減速させる手段をとるべきだったのではないかという意見もあったが、これについては「過去の事例も踏まえてセーフティカーを出さなければならないという明確な理由はなかった」としている。

今後の再発防止策については、これまで議論にも上がっていたドライバーの頭を守るキャノピーのような防護パーツの導入は根本的な解決にならないと断言。「マシン回収中に別のマシンがクレーンに衝突することを避けること、そして近辺で作業をするマーシャルの安全を守るための解決策を見出すのが重要」とした。

そこで事故調査委員会は「(ナイトレースを除いて)日没の4時間以上前にレースをスタートさせること。開催地の雨季を避けるようなカレンダー構成にすること」など10項目を提案。テレビ放映権や開催国の思惑が優先され始めている現在のレーススケジュールに釘を刺した。またダブルイエローフラッグ中におけるレギュレーションも、より詳細にしていく必要があることも提案した。

2015年シーズンの開幕まで約3ヶ月。同じような悲劇が二度と起きないように、一刻も早いレギュレーションへの反映が急がれる。

《吉田 知弘》

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