【トヨタ アルファード / ヴェルファイア 新型発表】異例の「ダブルウィッシュボーン式サス」採用の理由

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トヨタ アルファード / ヴェルファイア 新型
トヨタ アルファード / ヴェルファイア 新型 全 16 枚 拡大写真

トヨタ自動車が1月26日に発表した、新型『アルファード』『ヴェルファイア』の開発キーワードは「大空間高級サルーン」。高級セダンに引けを取らない上質な乗り心地や優れた走安性を実現するために、リアには新開発のトレーリングウィッシュボーンと呼ばれるダブルウィッシュボーン式のサスペンションが採用された。

多くのミニバンは、室内空間を広げるためリアにはマルチリンク式や車軸式を採用するのが一般的だ。大型ミニバンでは、日産『エルグランド』はマルチリンク式、ホンダ『オデッセイ』は車軸式(FF車)を採用している。

今回“あえて”部品点数が多く室内空間には不利なダブルウィッシュボーン式を採用した理由を開発主査のトヨタ自動車 製品企画本部 吉岡憲一氏に聞いた。

「高級サルーンにふさわしい乗り心地と操縦安定性の両立するために採用を決めた。従来のトーションビーム式でも乗り心地を良くすることは可能だが、乗り心地を良くしていくと、どうしても横からの力に弱くなってしまう。独立懸架にすることで強度的にも有利になり、横方向の力に強くなる」(吉岡氏)

横方向の力に強いというのは具体的にどういうことなのか。吉岡氏によると、横力に強くなることで、運転時の恐怖感を減らしライントレース性を高めることができるという。

「横方向の力を受けるとサスペンションはアンダーステアになるようトーインに設定されている。どうしてもトーションビーム式にすると横力に弱くオーバーステア気味になる。オーバーステアだと車がスピンアウトをするような恐怖感が生まれてしまう」(吉岡氏)

開発にはフラットフロアを実現することにこだわったと発表会で述べた吉岡氏。フラットなフロア下に複雑な構造を押し込めるのは大変だったことが容易に想像できる。吉岡氏は「1mm単位で調整をし、トレーリングアームと横力を受ける計3つのアームそれぞれで役割分担をすることによって収めることができた。3列目の下に収納スペースを設け、3列目のシートスライドも実現できた」と胸を張った。

《橋本 隆志》

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