【マツダ ロードスター 試乗】冷やかしでも乗るべき、“天衣無縫”の作品

試乗記 国産車
マツダ ロードスター 新型(量産試作車)
マツダ ロードスター 新型(量産試作車) 全 18 枚 拡大写真

マツダ『ロードスター』にやっと乗ることができた。98年の1.6リットルエンジン初代「NA」以来、26年を経て登場する4代目の新型である。今回試乗したのは量産試作車だ。

4代すべてにかかわってきたというマツダ商品本部プロジェクトマネージャー山口宗則さんに対して、「こんな幸せな星の下に生まれたロードスターはないのじゃないか」と私は言った。

充実した商品群と円安が重なり、マツダが歴史上もっとも勢いがあるタイミングの今。『CX-5』にはじまり直近は『デミオ』、そして『CX-3』という新世代ラインナップが勢揃いした後、大トリでやってくるロードスター。

「それは経営層ふくめたマネジメントの努力だ」と山口さんは言うが、開発期間を通じて決して大きくはないメーカーのマツダが置かれた環境で、ボディも、エンジンも、トランスミッションもすべてを一新するロードスターを発売するという夢は、見るのが難しかったのではないかと想像する。

「開発するのと発売するのでは投資コストがぜんぜん違う。そのまま発売できるかどうかは別として、開発スタッフはやりたいことをすべてやりました」(山口さん)。

はじめに試乗したのは、ベースグレードの「S」。唯一990kgと1トンを切る軽量モデル、価格は8%の税込みで約250万。6MTのみの設定だ。

「天衣無縫」という言葉が思い浮かんだ。とても自然で軽い。すべての動きがスムーズなのだ。軽いボディに軽く回るエンジン。ステアリングはパワステついていないんじゃないの? と思えるほどナチュラル。そして、室内から片手で開け閉めできるソフトトップの軽さ。

手に触れるとよくわかる、この天衣無縫さは素材の良さではない。細かく作りこんで、磨いて磨いて手に入れた吸い込まれるような音。そんな楽器のような作品なのだ。

午後に試乗したのは、「Sスペシャルパッケージ」のAT、これはアイシン製の6ATをベースにマツダがリクエストしてチューンしたもの。パドルシフトを使うと小気味良いのだが、このクルマは6MT一択だろう。

山口さんおすすめはスポーティさならば「Sスペシャルパッケージ」の6MT、静粛性・快適性で選ぶならば「Sレザーパッケージ」なのだそうだが、この日はタイムアップ。次回の試乗の楽しみにとっておくことにした。

ひとつ言いたいのは、絶対買わない人でも良い、冷やかしでいいので試乗をお薦めする。マツダが考えるクルマが手に取るようにわかり、現代のクルマのスタート地点はここだと認識できるのだ。

《三浦和也》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ミニGSX-R」をスズキがサプライズ発表!? 鈴鹿8耐マシン以上に「サステナブルかもしれない」理由とは
  2. 中国マイクロEV『小馬』10万台を販売した「かわいいペット」戦略
  3. 快進撃のヤマハ、次は「親しみやすいスーパースポーツ」で勝負!?「鈴鹿8耐2025」注目の1台
  4. 日本初のクルマ専用「除湿剤」が登場、最長180日間快適に
  5. 車検NGの落とし穴!? シート交換で絶対に知っておくべき新ルール~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  3. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
ランキングをもっと見る