【マツダ CX-3 試聴】シンプルながら低音&バランスも見事な、BOSEシステム…青山尚暉

試乗記 国産車
CX-3  BOSEサウンドシステム
CX-3 BOSEサウンドシステム 全 7 枚 拡大写真
『CX-3』には『CX-5』同様、BOSEサウンドシステムがオプションとして用意されている。

システムは車両のサイズもあって、CX-5の9スピーカーシステムに対して7スピーカーシステムとなり、インパネ左右の25mmネオジムツイーター、フロントドア左右の165mmフルレンジスピーカー、リヤドア左右の130mmフルレンジスピーカー、荷室床下の130mmウーファー&容量7リットルのスペアタイヤウーファーボックス、そしてBose7EQチャンネルアンプの構成だ。

BOSEサウンドシステムとしては比較的シンプルだが、CX-3に用意されるファブリック、パーフォレーションレザーシートで別々のサウンドチューニングが施されているこだわりが特徴である。

そう、同じオーディオシステムでも、車内のシート地によって聴こえ方が異なるからだ。ファブリックは低音、高音を吸収しやすいのに対して、レザー系は低域を吸収しにくく、高音を反射する特性がある。

さて、パーフォレーションレザーシートの車内で試聴したソースはボクのオーディオ試聴の基準音源であるリッキー・ピーターソンの「スマイル・ブルー」の中の「 WHAT YOU WON'T DOYOU LOVE」(ボビー・コールドウェルの「風のシルエット」のカバー)。日本の某長大物シンガーのライブ会場の音決めに使われていた1曲でもあり、強烈なアタック音からキレのあるチョッパーベース、繊細で普通のカーオーディオでは聴き取りにくいステレオ感あるツリーチャイム音なども含まれている。イコライザーはもちろんフラットに調整してある。

過去、多くのBOSEサウンドシステムを試聴し感動し、車両一体システム開発のすごさを実感してきたボクだが、CX-3のはシンプルなシステムだから「まぁ、それなりのサウンドを聴かせてくれるだろう…」なんていう予想は見事に裏切られた。

大音量で鳴らせば、ちょっとこだわったオーディオシステムならそれなりの音を聴かせてくれるのは常識。しかしCX-3のシステムは、例によってたとえ小音量でも素晴らしくバランスの取れた、低音豊かなサウンドを再生してくれるのだ(すべてのBOSEの特性、魅力でもある)。

音量を上げていけば、「WHAT YOU WON'T DOYOU LOVE」の強烈なアタック音のキレの良さもさることながら、その直後のリバーブ感(残響感)、音重低音の再現性もまた見事。そこでその音が鳴ることを知らなければ聴き逃してしまいそうな小さなツリーチャイムのキラキラしたサウンドも鮮明で、まるでそのスタジオが目の前にあり、目の前にミュージシャンがいるように聴かせてくれるではないか。

そう、スタジオで演奏されたすべての楽器がちゃんと、恐らくプロデューサーの意図通りのバランスで聴こえてくるようだった(想像ですが)。大音量、重低音再生時でもデッドニングなしで車内の嫌な振動、ビビリなどが皆無なのは、車両と一体開発したシステムならではだろう。

ライブ音源なら、車内がさながらコンサートホールになるのがBOSEサウンドシステムだ。その臨場感はハンパじゃなく、ライブを観た興奮が鮮明によみがえるほどだ。

そうそう、ディーゼルエンジンのみのCX-3の静粛性が想定外に高いのも、BOSEサウンドシステムの有り難みを加速させてくれる。音楽をちょっと音量を上げてしっかり聴きたいとき、BGMとして流したいときのどちらでも、このCX-3用のBOSEサウンドシステムは刺激性なき耳に心地良いサウンドで応えてくれることうけあいだ。

特に純正カーオーディオの低音再生に不満を持っていた人なら、BOSEサウンドシステムをOP注文する価値は十二分にある。OP価格は6万4800円。家庭用のウェーブミュージックシステム3と変わらないのだからリーズナブルと言うしかなく、この価格帯のカーオーディオの低音再生再現性能はピカイチである。


青山尚暉|モータージャーナリスト/ドックライフプロデューサー
自動車雑誌編集者を経て、フリーのモータージャーナリストに。自動車専門誌をはじめ、一般誌、ウェブサイト等に執筆。ペット(犬)、海外旅行関連の書籍、ウェブサイト、ペットとドライブ関連のテレビ番組、イベントも手がける。現在、犬との自動車生活を提案するドッグライフプロデューサーとしての活動も広げている。

《青山尚暉》

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