【ブリヂストン レグノ】トレッドデザインは進化し続けている…レグノで振り返るその歴史

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ブリヂストンのデザイン企画部部長・氷室泰雄氏
ブリヂストンのデザイン企画部部長・氷室泰雄氏 全 17 枚 拡大写真

「タイヤは、デザインと性能を同時に考えています。世の中の工業製品の中では、デザインに対する機能の影響がかなり強い。そこが逆に面白いと思います」

メディア向けにおこなわれたブリヂストン「タイヤが変わればクルマも変わる」体験会において、デザイン企画部部長である氷室泰雄氏が、レグノの歴史をふりかえりながら、タイヤ性能の進化におけるトレッドパターンの変化を語った。

タイヤのトレッドにはトレッドパターンと呼ばれる溝が存在する。そのデザインには、タイヤの性能を左右する大きな役割がある。そして、タイヤの性能が時代ごとに進化する中で、トレッドのデザインも同じように変化してきたというのだ。

1970年代以前のタイヤのトレッドパターンは、文字通りに、同じ模様を繰り返すパターン模様が採用されていた。しかし、路面とタイヤとの間の水を排水するには、進行方向に対して直線の溝があると有利だ。そのため1981年に誕生したレグノ・シリーズには、小さなブロックに直線基調をあわせたデザインが採用されていた。さらに居住性を高めるため、音の発生の位相をずらして低ノイズ化を狙う、ずらしたブロック配置のデザインも採用されていた。

90年代に入ると、レグノはハイドロプレーニングが発生しにくい排水性の高いデザインを採用する。それが水の流れる方向に溝を作る方向性パターンだ。しかし、露骨な方向性パターンは、スポーティ・イメージが強い。そこで方向性パターンと逆方向の溝を配置したクリスクロスサイプを発案。高い排水性能とセダンらしいイメージが備わったクリスクロスサイプのデザインは2002年まで採用が続いた。

そして、2000年代にはトレッドの刻まれた溝によってノイズを吸収する技術を開発。2007年登場の「レグノGR9000」は、L字型のサイドブランチ型、2011年の「レグノGR-XT」では立体構造が可能なヘルムホルツ型を開発。そして、最新の「レグノGR-XI」では、トレッド面の剛性を高めてハンドリング性能も向上させたダブルブランチ型に進化。

つまりトレッドデザインの進化が、そのままタイヤ性能の進化となっているのだ。

「私の入社は1981年。同じ年にレグノが誕生しています。実際に、初期の80年代のレグノのころからデザインに携わっていた時代があって、最近はマネージメントとして携わっています。ですから、ずっとレグノとやってきたという実感があります。やはりレグノは進化を積み重ねてきたので、現在まで生き残っています。常に、次に向けて、何を進化させるかというのが大きな課題です」と氷室氏。

また、氷室氏は、「デザインは常に、機能を確保しながら、なるべく、それを美しく表現すること」を心がけているという。そのため、日本専用ブランドであるレグノには、和風のテイストを採用しているという。それが、サイドウォールに刻まれた「分銅つなぎ」のグラフィックだ。縁起物の模様とされる伝統の和文様の「分銅つなぎ」は、先代モデルよりも採用され、新しいレグノでは、その面積が拡大している。光の反射によって立体的に見えるような工夫も施されている。

「クルマを洗車したときに、タイヤも目に入りますから、そのときもタイヤが美しいほうが、当然、お客様の満足につながるかなと思いまして」と氷室氏。

性能にこだわり、美しさも忘れない。そして常に前進してゆくのがレグノであるという。

《鈴木ケンイチ》

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