Apple Carの未来が見えた!Apple WatchとBMW i3、iPhone6の三位一体連携を試す

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「BMW i Remote」のApple Watch版アプリをBMW『i3』で体験
「BMW i Remote」のApple Watch版アプリをBMW『i3』で体験 全 35 枚 拡大写真

アップル社が「腕時計を再び創造する」という大胆な売り文句で発表したApple Watchがついに販売開始された。いわゆるスマートウォッチと呼ばれる商品で、一見すると車とはまったく関係がなさそうだが、実はテレビでやたらと流れていた発売日を伝えるCMの中に一瞬だけBMW社の『i3』が登場するのに気付いた人はいるだろうか?

BMW i3、Apple Watch、Eyes Freeの連携が絶妙

「i Remote」というアプリを通して、既に『iPhone』との連携は果たしていたBMW i3だが、実はApple Watchにも自動車としては対応一番乗りを果たしている。そこでさっそく『BMW i3』を借りて、その連携ぶりを試してみた。

Apple WatchはiPhoneの子機のような存在だ。iPhoneに入れたアプリのうち、Apple Watchにも対応したアプリは、Apple Watchのホーム画面にもアプリのアイコンが表示される。さらに、アプリによっては「グランス」と呼ばれるウィジェットのようなもの(情報を見る、あるいは1~2個のボタンを押す、だけで完結している簡易情報画面)も追加できる。

「BMW i Remote」のApple Watch版は、アプリとグランスの両方が用意されており、「グランス」では充電状況や、航続距離、ドアがロックされているか、否かが表示される。

アプリの説明では、このドアロックの表示から、ドアの施錠と解錠ができるようにも読め、Apple Watch発売前の開発途上版では動いたが、24日時点のアプリでは、できなくなっているようだ。

i3の駐車場所を表示、マップで案内する機能も

グランスの画面をタッチする(あるいはApple Watchのホーム画面からアプリのアイコンをタッチする)と、Apple Watch版「i Remote」アプリが起動する。こちらはiPhone版アプリの「ステータス」や「リモコン」の画面を抜き出してきたような仕様で、以下の機能がある。

1)パッシングライト
Apple Watchからの操作で、自分のi3のパッシングライトをチカチカと点灯させる。駐車場などでどこに停めたか迷った時に使う。

2)温度調整
車に乗る前に遠隔操作で車内の温度調整をしておく。エンジンをかけて、いきなりエアコンをかけると負荷が大きいが、車に向かう前に、それをしておくことができる。

3)ステータス
車の航続距離や充電中か否かの表示、バッテリーの充電率、ガソリンの残り量。この画面の中央にはBMW i3の車体が表示されるが、自分の腕の中で、自分の愛車がいつも眺められる、というのはオーナーにとって嬉しいことかもしれない。

ちなみにこのi3の絵をタッチすると「ドア&ウィンドウ」としてドア、ウィンドウ、トランクルームがロックされているかや、ライトが点灯していないかなどの確認ができる(制御はできない)。

他に「点検実施期間」として、法定点検、ブレーキ液、車両点検、車検を次にいつ行うべきかの日付も表示される。

4)場所
もう1つ面白い機能として、i3をどこに駐車したかの場所も表示する機能もある。場所はアップル社製マップを使って表示され、タップをすると、そこまで歩きや車で向かうためのルート案内も可能だ。

ちなみにアップル社純正のマップを使ったApple Watchのナビゲーションでは、右折、左折を指示する際にTAPTICエンジンという振動アクチュエーターを用いて、腕に異なる振動が伝わる。

人と話しながら運転をしていると、ナビで指示された声を聞き逃してしまうことがあるが、Apple Watchにナビをさせれば、そうした聞き漏らしは発生しなさそうだ。

なお、Apple Watchにはスピーカーが内蔵されているが、指示を出す時に出るのは振動と効果音だけで、日本語での通り名や指示地点までの距離のガイドの音声はiPhoneの側から再生される。

何をしているかに合わせて、異なる画面が使える生活は気持ちいい

アップル社はApple WatchをiPhoneの自然な延長として設計した。例えばiPhoneの操作中は、メッセージ受信などの通知はiPhoneの方で消化され、Apple Watchはだまったまま。逆にiPhoneを使っておらず、Apple Watchを身につけていると、Apple Watchだけ通知音がなる。

会議中などで通知音を切っていると、iPhoneもApple Watchも音が鳴らず、周りの人には気付かれずApple Watchの振動でつけている本人だけが、電話がかかってきたことや、通知がきたことがわかる。腕時計スタイルなので長時間あげて操作するのには向かないが、歩きながら音声命令で操作をするにはiPhoneにもやりやすい。

そんな自然なコンパニオン製品がでたおかげで、ユーザーはiPhoneとApple Watchを、まるで車のギアを切り替えるようにより快適な方に切り替えながら使うことになるのだが、これにi3が加わると、さらに楽しくなる。

実はBMWのi3は、iPhoneとペアリングを行うと、「Eyes Free」という機能が利用可能になる。道路から目を離さず、ハンドルについたボタンを押してiPhoneのSiriを呼び出したり、音楽の再生制御をしたりといったことができる。

実際に、筆者もこのEyes Freeボタンを使ってSiriを呼び出して「メッセージを読み上げて」と受信したメッセージを読み上げさせたり、「妻に、今帰宅中とメッセージを送る」といってハンドルから手を離すことなく文字のメッセージを返したり、とかなり便利に色々と活用した(ちなみにEyes Freeを使ってiPhoneを操作している間、iPhoneの操作はホーム画面のままで、メッセージアプリなどに切り替わらない。これは道路を見ていて、iPhoneを見るな、という心意気の表れだろう)。

椅子にゆっくり座っている時はパソコンやiPhone、i3のハンドルを握っている間はEyes Free、そして歩きながらはApple Watch。実際に通信をしたり、メッセージが記録されている端末は同じiPhoneなのだが、自分が何をやっているかにあわせて、異なる画面が使えるというライフスタイルは、なかなか気持ちがいい。

i3、Apple WatchとiPhoneは、車好きにとっては、このシームレス連携をもっともうまく実現している組み合わせではないだろうか。

《林信行》

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