【メルセデス AMG GT 日本発表】マイバッハと双璧をなすブランドに…「メルセデス AMG」誕生

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メルセデス AMG GTと、メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長
メルセデス AMG GTと、メルセデス・ベンツ日本の上野金太郎社長 全 10 枚 拡大写真

AMGがメルセデスのハイパフォーマンスブランドであることは、すでに基本的には認知されているものだと思う。しかし、その頂点に君臨する『メルセデス AMG GT』の発売を機に、メルセデス・ベンツ日本は、新たに「メルセデスAMG」ブランドをローンチさせた。

AMGは、これまで巷では「アーマーゲー」(大いなる間違いだけど)などと呼ばれ、その知名度はすこぶる高い。そして、メルセデスベンツ日本も以前からブランドのスポーティーモデルにこの名を冠して販売してきた。しかし、マイバッハが再登場し、「メルセデス-マイバッハ」のブランドが誕生、究極のエクスクルーシブ性を遡及することになった今、新たにAMGをメルセデスAMGに変更し、究極のハイパフォーマンスを追求するブランドとして名前を新たにしたものだ。

そのメルセデスAMGブランドの最高峰として誕生したのがメルセデスAMG GTである。このクルマ、サーキットでも活躍した『SLS AMG』の後継車として登場したもので、先代同様アルミスペースフレームやトランスアクスルレイアウトなどを採用したフロントエンジン、リアドライブのスポーツカーである。SLSでガルウィングだったドアは、ごく普通の前ヒンジのドアに変更され、ある意味では特徴を失ったが、走りに関してはより鋭さを増して、ブランドが目標とする究極のパフォーマンスを体現したモデルに仕上がっている。

大きな特徴は二つ。一つは新開発された4リットル直噴V8ツインターボユニットだ。

以前からAMGは、“one man - one engine”という品質基準で、ひとりのマイスターが最初から最後まで責任をもって一基のエンジンを手作業で組み上げるという哲学を持っていたが、新たに開発された「M178」のコードネームを持つこのエンジンも例外ではない。

排気量は4リットルと大きくダウンサイジングされているものの、ハイパフォーマンスバーションでは510psを確保して、性能的には先代と比較して大きくは落ち込んでいない。ツインターボはVバンク内側に配置され、エンジンのコンパクト化とレスポンスの向上に寄与している。これに組み合わされるトランスミッションは7速のAMGスピードシフトDCT。これ自体は先代のSLSから大きくは変わっていないようだ。

もう一つの特徴が、ダイナミックエンジントランスミッションマウントだ。先代からドライブトレーンはトランスアクスルレイアウトを採用している。即ち、エンジンとトランスミッションを分離。エンジンはフロントに、そしてトランスミッションはディファレンシャルと一体化させてリアに搭載する。

強力なパワーを伝えるプロペラシャフトは強固なトルクチューブに内蔵されている。高速走行ではこれらのマウントを極力リジットにして走安性を高めたいわけだが、当然ながらデイリーユースでは乗り心地の悪さに直結する。そこでメルセデスが考えたのが、エンジンとトランスミッションのマウントに磁性体を含んだ液体可変マウントを採用すること。これによってセンサーからドライビング状況を検知して、のんびり走る時はマウントを柔らかくし、ドライブトレインからのノイズや振動を遮断。一方ダイナミックな走行時はマウントを堅くしてリジディティーを高め、運動性能を引き上げる効果をもたらしている。

フレームは先代同様アルミスペースフレーム。そしてフロントモジュールにはマグネシウムを採用するなど軽量化に寄与している。

グレードは「GT」と「GT S」の2種で、前者はエンジンパフォーマンスが462ps、600Nm、そして後者のGTSは510ps、650Nmとなる。価格はGTが1580万円。GTSは1840万円。どちらも左/右のステアリングが選べるようになっている。なお、GTSは先行して発売され5月中旬から販売開始。GTの方は遅れて9月以降の販売開始となる。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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