【ボルボ V60 T6 試乗】今どきに見えるが、意外と昔気質…鈴木ケンイチ

試乗記 輸入車
ボルボ V60 T6 AWD R-DESIGN Tuned by Polestar
ボルボ V60 T6 AWD R-DESIGN Tuned by Polestar 全 17 枚 拡大写真

昔気質な人。

【画像全17枚】

最後のストレート6エンジンを搭載するボルボの『V60 T6 AWD R-DESIGN Tuned by Polestar』から降りたときに、そんな言葉が浮かんだ。

最新型のスマートフォンで軽やかにSNSを楽しみ、今どきの流行もしっかりとチェック。しかし、古き良きものを大切にする心は決して忘れない。今風だけど、実は昔気質。そんな人は、意外といる。このクルマは、そういう人物像とダブるのだ。

モダンな北欧デザインを身にまとい、自動ブレーキをはじめとする運転支援システム「インテリセーフ10」を標準搭載。先進安全装備の採用は、自動車業界の先陣切って行う。つい最近は、アップルウォッチとクルマの連携も発表した(日本導入はまだ先)。そのアウトラインには、濃厚に今どき感が漂っている。

しかし、アクセルを踏み込めば、コンピュータチューンを施した直列6気筒ターボ・エンジンがおそるべき加速を見せる。エンジン・サウンドと回転フィールの良さは、さすが6気筒。4気筒ではこうはいかない。最高出力はノーマル+25馬力の329馬力。最大トルクは480Nm。そのパワーを路面に伝えるのは、フルタイム4WDシステムと19インチのアルミホイールと235/40R19ポテンザS001のタイヤの仕事だ。そして、それを操るドライバーは、ブラックレザーとシルバーの加飾に囲まれる。

直6ターボ、フルタイム4WD、コンピュータチューン、19インチアルミホイール、レザー&シルバー。結局のところ、このクルマを形作る言葉は、どれもこれもハイパフォーマンスカーに伝統的なまでに使われてきたものばかり。

もちろん、今どきのクルマらしく、高い静粛性と快適な乗り心地(19インチとは思えないほど路面の凹凸をうまくいなす)を確保。おとなしく走れば、助手席の奥様は、このクルマに秘められた恐るべき動力性能に気づかないだろう。そして、気持ちを切り変えて、クルマにムチをあてれば、驚くべきパフォーマンスを見せる。

もちろん本格スポーツカーではないため、腰高感やブレーキの不足感などはある。しかし、サーキットを走るわけではないのだ。ワインディングを気持ちよく走る程度であれば、不満というほどのものではない。

世の流れを理解しながらも、心の奥底に「古き良きものも大切」と思う方。そんな人に「V60 T6 AWD R-DESIGN Tuned by Polestar」はぴったりとくるだろう。ボルボの直6搭載車は、もう在庫のみで、日本国内は百数十台しかないとか。欲しい方は、急いだほうがいい。

■5つ星評価
パッケージング:★★★
インテリア/居住性:★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

鈴木ケンイチ|モータージャーナリスト(日本自動車ジャーナリスト協会会員)
新車のレビューからEVなどの最先端技術、開発者インタビュー、ユーザー取材、ドライブ企画まで幅広く行う。特に得意なのは、プロダクツの背景にある作り手の思いを掘り出すインタビュー。

《鈴木ケンイチ》

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