「野党連合はもはや存在せず」民主行動党、イスラム党と決別の意向

エマージング・マーケット 東南アジア
マレーシアの首都クアラルンプール(イメージ)
マレーシアの首都クアラルンプール(イメージ) 全 1 枚 拡大写真

野党連合・人民同盟(PR)の構成党、民主行 動党(DAP)のリム・グアンエン書記長(ペナン州首相)は、「野党連合はもはや存在してい ない」と言明。共闘する汎マレーシア・イスラム党(PAS)との連携を事実上打ち切る考えを明らかにした。

PAS党内でDAP排除の動きが高まっていることを受けたもので、共通の政策枠組みのもとで野党連合は人民正義党(PKR)を含む3党で構成されているが、PASの方針は枠組みに反したものだと指摘。PASによって野党連合が「死んだ」と述べた。一方でPKRとの関係は今後も維持していくとした。これを受けてDAPクランタン州支部は、同州政府内の役職を辞任すると表明した。

PASがイスラム刑法を導入を進めている一方で、DAPはこれを強く批判しており、両者の間で溝が深まっていた。先のPAS党大会でも、決議には至らなかったものの党内の急進左派からDAPとの提携解消の動議が出されていた。これを受けてペナン州では、州政府内の職を辞任するPAS議員が相次いでいる。

PASのイスカンダル・アブドル・サマド党首補は、DAPとの提携解消は総会で決議されて おらず、ウラマ(長老)会議と党中央委員会に判断を委ねているが最終決定はまだ出ていないと述べ、失望感をあらわにした。一方、ニック・モハマド・アブドラ青年部長は、DAP と決別してもPKRとの関係は維持するとし、PRが2党になっても存在し続けると述べた。

DAP と PAS の対立が深まる中、PAS の穏健・改革派が結成したイスラム平和教徒協会(PASMA)は今月13日、DAPの連携維持に向けて新党を設立すると発表。DAP内にもPASMA 新党とであれば連携を維持してもよいとの意見があり、新たな連携ができる可能性もある。

伊藤 祐介

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

アクセスランキング

  1. 「日本バイクオブザイヤー2025」大賞はヤマハ『XSR125』、人気投票で決定
  2. 「さすが私が欲しいバイク」ヤマハの原付二種スポーツ『XSR125』が「バイクオブザイヤー2025」に、SNSではファン興奮
  3. 【日産 フェアレディZ 新型試乗】まるで日本製のアメ車? そこはかとなくアメリカを感じる…中村孝仁
  4. ホンダの小型セダン『アメイズ』新型、成人乗員保護で最高評価の5つ星…印バーラトNCAP
  5. 日産『GT-R』次期型はいつ登場? ハイブリッドスポーツとして最速2027年発表か
  6. メルセデスベンツ『GLC』新型、最終デザインを入手! ハイエンドモデルにはV8か
  7. フィアット、『500ハイブリッド』欧州発表…6速MTのマイルドハイブリッドに
  8. スズキ『ジムニー』シリーズ用、スリムな「リアラダー」登場! ルーフへのアクセスもスタイリッシュに
  9. “車内スマホ生活”を強力サポートする、パワフル「USBプラグ」の新作登場![特選カーアクセサリー名鑑]
  10. メルセデスベンツ『Bクラス』、「Urban Stars」追加…AMGライン標準装備で575万円から
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. EV充電インフラ-停滞する世界と“異常値”を示す日本…富士経済 山田賢司氏[インタビュー]
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
  5. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
ランキングをもっと見る