自動車専用船「APHRODITE LEADER」に720人の見学者...日本郵船

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自動車専用船「APHRODITE LEADER」(20日・横浜港大さん橋国際客船ターミナル)
自動車専用船「APHRODITE LEADER」(20日・横浜港大さん橋国際客船ターミナル) 全 6 枚 拡大写真

自動車専用船(PCC、Pure Car Carrier)の一般公開に720人もの見学者が集まった。20日午後に公開されたのは、横浜港大さん橋国際客船ターミナルに寄港した日本郵船が運航するパナマ船籍「APHRODITE LEADER」(アフロディーテ・リーダー)だ。

イベントを主催した日本郵船によると、この募集に3400人の応募が殺到したという。

「ごく少人数の限られた方に見学を企画することはあったが、ここまで大規模なものは、これまでになかった。初めての試みに大きな反響をいただき驚いています」(同社広報担当)

通常、PCCが寄港するのは一般の立ち入りが制限される貨物船用のふ頭だ。直前までアフロディーテ・リーダーは2年半に1度の定期検査のため修繕ドッグに入っていた。それを終えて720人の見学を可能にする客船ターミナルに寄港した。

アフロディーテ・リーダーは全長100m、幅32.2m。総トン数6万2571トンで、貨物積載量は2万1443トンある。1つのフロアーの高さを上下させながら、乗用車であれば、最大6500台を積むことが可能だ。ちなみにユニバーサルスタジオジャパンのオフィシャル駐車場の駐車可能台数は3600台だ。

係留された姿は、まるでそびえたつ巨大な倉庫のようだ。その船内に、ストレージプランナーが組んだ計画通り、前後30センチ、幅10センチの間隔で車両を並べていく。積載量と同じだけ積むには2日ほどかかる。

見学者は搬入出を行う船尾のスターンランプから歩いて出入りするが、その先の船首最上部分にあるブリッジまでは、日本郵船が用意したワンボックス車での送迎だ。車両の積み込まれていない船内はあまりにも広く、目印になるものがないからだ。

ブリッジでは航海士らが見学者の質問や、写真撮影にも気軽に応じていた。乗務員の1人は、PCCの航海についてこう説明した。

「PCCは見てのとおり側面が切り立っていて重心が高い。風の影響を受けやすく、車両をしっかり固定しておかないと、傾くと元に戻らないこともある。航海に気を使い、いろんな船長がPCCは難しい船だと話している」

見学を終えた男性の一人は「友人の中には車両積み込みのアルバイトからプロになったやつもいます。通常は自動車専用船に乗ることなどできませんから記念になりました」と、満足そうだった。

アフロディーテ・リーダーの公開は21日にも東京港晴海ふ頭でも行われた。反響の大きさに同社は「今後も公開の機会を検討していきたい」(広報担当)という。

《中島みなみ》

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