ベントレー『コンチネンタル GT3』、GTアジアシリーズで活躍…澤圭太「大柄だけど空力特性に優れている」

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GT Asiaで活躍中のベントレー『コンチネンタルGT3』
GT Asiaで活躍中のベントレー『コンチネンタルGT3』 全 25 枚 拡大写真

今年もアジアを中心に開催されている「GTアジア」シリーズに今年からベントレーが参戦。第6戦を終えて2勝を挙げ、チーム・ドライバー両ランキングとも首位に立っている。

7月18・19日に富士スピードウェイで行われた第5・6戦に登場。雨の中でのレースとなった第5戦では不運なアクシデントに見舞われ上位入賞を果たすことができなかったが、翌日の第6戦では9番グリッドからドライバー、チーム共にミスのないレース運びを披露。残り15分のところでトップに立った澤圭太/アドリー・フォン組が見事優勝した。

特にエースとしてけん引する澤は「土曜日の第5戦では自分のミスで優勝を逃してしまいました。だからこそ、この第6戦では絶対に勝たなければいけないという気持ちで臨みました。勝てて正直ホッとしています」とコメントした。

◆ルマン6勝の古豪ベントレーが再びレース界へ、GTアジアにも積極参戦

元々プライベーター主体のカテゴリーとして盛り上がっているGTアジアだが、今年は中国に拠点を置くアブソリュート・レーシングとベントレーがタッグを組み、メーカーがサポートするワークス体制で参戦している。

英国高級車として伝統ある自動車メーカーであるベントレー。実はモータースポーツでも輝かしい実績を残しており、ルマン24時間レースでは1920年代には5勝を記録し最強の名をほしいままに。その後ロールス・ロイス傘下時代はレースへの参戦がなかったが、2001年に復活。2003年には6度目となる総合優勝を果たした。

その後もモータースポーツから遠ざかっていたが、昨年からヨーロッパを中心に『コンチネンタルGT3』で参戦を再開。今年はGTアジアにも登場し初年度からメーカー系チームとして力を入れて臨んでいる。

◆高級車のイメージから一転、洗練されたレーシングカー

使用マシンは同社が誇る高級車『コンチネンタル GT』をベースに開発されたレーシングカー、コンチネンタルGT3。現在世界各国のGTカーレースに使用されているFIA-GT3規格のマシンとして2013年に発表。昨年からブランパン耐久シリーズやニュルブルクリンク24時間にも挑戦している。

普段は高級車のイメージが定着しているコンチネンタルGTだが、GT3仕様のマシンは大柄な形状とは裏腹に、ライバルメーカーに劣らないほどの高いコーナリング性能を発揮。特に高速コーナーに強いとのこと。紛れもなく洗練されたレーシングカーに仕上がっている。

「一見大柄に見えますが、外見の割に重さも感じないしパワーも十分あります。ただ繊細な部分もあり、セットアップとか路面コンディションに敏感です」

「強みは空力特性の良さだと思います。クルマが大きい分、車体下のダウンフォースを多く得られるので、高速コーナーは安定して凄く速いのが特徴。またブレーキ時のバランスも良いですね。あとはトップスピードは他社とのエンジン特性の差が影響する場面もありますが、基本的に高速コーナーでの安定した速さが我々の強みだと思います」

このように、これまで様々なGT3カーでレースをしてきた澤も、ベントレーのマシンを高評価している様子だった。

◆ベントレーの8番は巨人で言うところの18番

そのエースカーである8号車のドライバーとしてアジアを中心に活躍している澤が乗り込んでいる。「ベントレーの8番」といえば、ルマンでも活躍したカーナンバー。限られたドライバーしかステアリングを握ることが許されない1台に乗れることについて、澤はこのように語ってくれた。

「僕もレースキャリアの最終点としてルマンを目指していたので、そこで輝かしい実績のあるベントレーのメーカー系チームと組めるのは本当に嬉しいです。ベントレーの8番は野球の巨人で言うところの18番。また本拠地のある中国でも“8”は縁起の良い数字と言われています。そんな1台をいきなり任されて光栄な反面、プレッシャーもありますね。でも日本人でベントレーのGT3カーに乗れるドライバーはまだ多くはいないと思うので、この機会を与えていただいて感謝しています」

ベントレーのエースだからこそ、格好悪いレースは見せられない。特に第5戦のスタート直後にわずかな判断ミスでペナルティを受けてしまうミスを犯してしまった。その失態を澤は悔やんでおり、「次は負けられない」と強い覚悟で翌日のレースへ。前半のアドリーからバトンを受け取ると冷静かつアグレッシブな走りを披露。残り15分でトップに立って以降も、ベントレーの強さを魅せつけるように最終ラップまで攻め続けていた。メーカー系エースとしてのプライドが第6戦での快進撃につながったのは間違いないだろう。

後半戦、狙うはシリーズチャンピオン

GTアジアの日本ラウンドは終了。残るはマレーシアのセパン、中国の上海、タイのブリーラムでのレースが予定されており、チャンピオンがかかった後半戦を迎えていく。「コースレイアウト的には上海、ブリーラムともに相性が良さそうなので、日本で作った流れを維持して、何とかチャンピオンを勝ち取りたい」と意気込んでいた。

今シーズン、GTアジアに新たな旋風を巻き起こしているベントレー。シリーズチャンピオンをかけた後半戦からも目が離せない。

《吉田 知弘》

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