【ジャガー XE 試乗】乗員全員にスウィートな高性能車「3.0S」…島崎七生人

試乗記 輸入車
ジャガーXE 3.0 S
ジャガーXE 3.0 S 全 8 枚 拡大写真

“スポーツサルーン”とジャガー自身が銘打つ『XE』。言われなくとも明らかなのは、ドイツの“3”や“C”が標的だということ。“フラッグシップの『XJ』が優雅で独創的な存在感なのに対し、今風に言うなら“3シリーズらにガチで勝負を打って出てきた”のが『XE』という訳だ。

試乗車はそのうちの高性能モデル「3.0 S」。20インチホイール始め、フロントまわりのデザインが専用だが、標準グレードとの差異はいかにもといった風ではなく奥ゆかしい。キャビン後ろ寄せのプロポーションは、FR車としてコンテンポラリーな様式美に則っているが、表現の美しさがジャガーらしい。

インテリアはシンプルなデザイン。『XJ』などと同様、エンジン始動とともにコンソールのセレクターダイヤルがサンダーバードのようにせり上がってくる。後席はキチンとしたセダン……といった出来栄え。シートサイズ、座面高と角度などしっかりと座れるようにしてあり、かつスペースも十分に確保されている。

そして圧巻は走りだ。搭載エンジンは340ps/450Nmの3リットルV6スーパーチャージャー。これに8速ATの組み合わせで、ウルトラスムースな回転フィールとパワフルさは格別。回すと気骨ある排気サウンドも響かせる。

さらにワインディング路での、4本のタイヤのトレッドが路面を舐めるようにトレースする様はジャガーならではの味わい。おまけに車重は1730kgと、2シーターの『Fタイプ』コンバーチブルと同重量(ほぼ同じ前後重量配分)とくるから、身のこなしの軽さ、しなやかさが印象的だ。乗り味も洗練されており、乗員全員にスウィートな高性能車だ。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★★
インテリア/居住性:★★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★★

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト
1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。 便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

《島崎七生人》

島崎七生人

島崎七生人|AJAJ会員/モータージャーナリスト 1958年・東京生まれ。大学卒業後、編集制作会社に9年余勤務。雑誌・単行本の編集/執筆/撮影を経験後、1991年よりフリーランスとして活動を開始。以来自動車専門誌ほか、ウェブなどで執筆活動を展開、現在に至る。便宜上ジャーナリストを名乗るも、一般ユーザーの視点でクルマと接し、レポートするスタンスをとっている。

+ 続きを読む

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. スバル初の小型クロスオーバーEV『アンチャーテッド』正式発表、2026年発売へ
  2. 大成建設、高速走行中の給電に成功、EV向け「無線給電道路」の実証実験で[新聞ウォッチ]
  3. トヨタ「クラウン」「アルファード」など21車種、64万台超の大規模リコール[新聞ウォッチ]
  4. エブリイ&ハイゼットオーナー必見! 最新便利アイテムをレビュー[特選カーアクセサリー名鑑]
  5. 車内すっきり! ワンタッチでCarPlayがワイヤレスに、「OTTOCAST MINI」発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. リチウムイオン電池の寿命を2倍に、矢崎総業、バインダフリー電極材料を開発
  3. トヨタや京大、全固体フッ化物イオン電池開発…従来比2倍超の容量達成
  4. 栃木ホンダ販売、テラチャージの急速充電器設置…EV充電環境を強化
  5. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
ランキングをもっと見る