近鉄、全線に駅ナンバリングを導入へ…多言語案内を拡充

鉄道 企業動向
駅名看板への駅ナンバリング掲出イメージ(上)。主要駅では行先表示装置(下)の英語表記も拡充する。
駅名看板への駅ナンバリング掲出イメージ(上)。主要駅では行先表示装置(下)の英語表記も拡充する。 全 2 枚 拡大写真

近畿日本鉄道(近鉄)は8月19日、駅番号制(駅ナンバリング)を全線に導入すると発表した。翌20日から近鉄奈良駅(A28)と京都駅(B01)に導入しており、今後は2016年1月頃までに順次掲出する予定。同時に案内サインや放送の多言語対応も実施する。

近鉄では2006年3月、けいはんな線の延伸開業に伴い、同線の長田~学研奈良登美ヶ丘間で駅ナンバリングを導入しているが、それ以外の路線は駅ナンバリングを導入していなかった。近鉄は訪日外国人客に「当社線をわかりやすくご利用いただくための施策の一環」として、駅ナンバリングを導入することにしたという。

駅番号はアルファベット1文字とアラビア数字2桁の組み合わせ。アルファベットは路線系統を表す。主要系統のアルファベットは、難波・奈良線が「A」、京都・橿原線が「B」、大阪線が「D」、名古屋線が「E」、南大阪・吉野線が「F」になる。アラビア数字は大阪難波・京都・近鉄名古屋・大阪阿部野橋各ターミナル駅を「01」として順に番号を振っていくが、大阪線のターミナル駅である大阪上本町駅は「D03」から順に番号を振って、難波・奈良線の数字にあわせる。

また、二つの主要系統が接続している場合、数字が大きくなる方の系統の番号に統一する。たとえば京都・橿原線と大阪線が交わる大和八木駅の場合、数字が大きい京都・橿原線にあわせて「B39」「D39」にする。大和八木駅の大阪線大阪上本町方にある真菅駅は「D27」のため、「D28~D38」は欠番になる。

支線系統のアルファベットは、生駒線が「G」、天理線が「H」、田原本線が「I」、信貴線が「J」、湯の山線が「K」、鈴鹿線が「L」、山田・鳥羽・志摩線が「M」、道明寺線が「N」、長野線が「O」、御所線が「P」。アラビア数字は主要系統との接続駅の番号からスタートして付番する形としており、たとえば難波・奈良線の生駒駅(A17)から分岐する生駒線は、生駒駅を「G17」、次の菜畑駅を「G18」というように番号を振っていく。

既に駅ナンバリングを導入しているけいはんな線は変更しない。アルファベットは「C」で、同線と相互直通運転を行っている大阪市地下鉄中央線からの続き番号となっている。また、ケーブルカーの生駒鋼索線は「Y」、西信貴鋼索線は「Z」で、それぞれ難波・奈良線生駒駅(A17)と信貴線信貴山口駅(J14)からの続き番号になる。

駅ナンバリングのほか、多言語対応の拡充も図る。大阪難波・近鉄日本橋・大阪上本町・鶴橋・大和西大寺・近鉄奈良・京都・近鉄丹波橋・大阪阿部野橋・近鉄名古屋の主要10駅では、英語による自動放送を実施する予定。このうち近鉄奈良駅は9月16日、京都駅は9月18日に実施し、それ以外の駅は2016年3月頃に実施する。

列車行先表示装置の英語表記の拡充も、大阪難波駅や伊勢市駅など主要15駅で2016年3月頃に実施する予定。液晶式の行先表示装置において、列車種別・行先・停車駅などを英語で表示した画面を新たに作成し、日本語画面と英語画面を一定時間、交互に反転して表示する。同時に駅のナンバリングも表示するようにする。主要駅の案内サインも順次、日本語・英語・中国語(簡体字)・韓国語による4カ国語表記を拡充していく。

全ての特急列車と京都線・橿原線・天理線の近鉄車両で運行する一般列車の車内では、日本語・英語による多言語案内放送を実施。必要に応じて中国語と韓国語でも案内する。12月以降、順次実施する予定だ。

《草町義和》

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