【MINI クラブマン 新型発表】サイズ拡大はファミリーカーとしてのポテンシャル向上のため

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新型MINIクラブマン・クーパー
新型MINIクラブマン・クーパー 全 10 枚 拡大写真

BMWジャパンが9月25日に発表した新型MINI『クラブマン』は、ブランド初のプレミアム・コンパクトカーと位置づけられている。一見すると5ドアのリアエンドを変更しただけにも思えるが、サイズもキャラクターも異なる、まったく新しいモデルだ。

クラブマンはかつての『クラブマン・エステート』や『モーリス・ミニ・トラベラー』をルーツに持つシューティングブレーク。BMW体制下では2007年に発売され、新型はその後継モデルと位置づけられている。ただし前モデルはボディ右側面だけに後席アクセス用の「クラブドア」を持っていたのに対し、新型は通常のドアが左右にあり、後席の乗降性が飛躍的に改善されている。

これはMINIというブランドの顧客層の拡大を狙ったデザインだ。MINIでは、従来の『3ドア』と『5ドア』を「プレミアム・スモールコンパクト」と呼んでいる。いっぽうクラブマンは「プレミアム・コンパクト」。コンパクトではあるがスモールサイズではない、という位置づけ。

実際にボディサイズは全長4253×全幅1800×全高1441mmと、5ドアよりも全長が270mm、ホイールベースは100mm拡大されている。また先代クラブマンからは全長が290mm、全幅は115mm拡大され、全高を除けばラインナップでもっとも大柄なサイズとなった。これはMINIが新しい顧客を獲得するための寸法だ。

BMWのペーター・クロンシュナーブル社長は、新型クラブマンを「旧モデルからのフルモデルチェンジではなく、新たなステージに向けて進化したもの」と紹介した。5ドアのセールスが好調であることにも触れつつ「クラブマンは、今後の成長が期待されているマーケットに参入するものです」という。

「新型クラブマンは、ファミリー層に関心を持ってもらえ、MINIにとって新しい顧客をもたらすものです」と説明するのは、MINIジャパンの岡田信之プロダクトマーケティングマネージャー。従来のMINIはクルマを複数所有する人のセカンドカー、サードカーとしての購入が多く、MINIだけを所有する人は全体の4割弱だったとのこと。

そこでこの比率を高めようとすれば、同時に「1台しか購入しない人」の潜在需要にも応えることになり、従来モデルだけではカバーしきれていなかった領域の顧客を取り込むことができるというわけだ。従来の5ドアよりも大きなホイールベースは、後席の居住性を飛躍的に高め、ファミリー層の需要にも対応するためなのだ。

また乗り換え需要については、他社スモールクラスからの乗り換えが5割程度ということで「ミドルクラス、アッパーミドルクラスからの乗り換え需要は、まだまだポテンシャルがあると思っています。これまでMINIに関心を持たなかった人にも積極的にお勧めできるものです」と岡田マネージャー。

新型クラブマンは4ドアモデルとして使えることで、1台でファミリーのライフスタイルに対応でき、なおかつ上級クラスから乗り換えた人にも満足感を与えることができるという、MINIに新しい価値をもたらすモデルなのだ。

《古庄 速人》

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