革新的なデザインで「2015ワールドカーデザインオブザイヤー」を受賞した、シトロエン『C4カクタス』。10月28日に開幕した東京モーターショー15では日本初公開され、2017年からの国内導入もアナウンスされている。
C4カクタスの個性はどこにあるのか。また、他と一線を画したシトロエンのデザインに対する日本のイメージは、どう受け止められるのだろうか。
デザイン・ディレクターのアレクサンドル・マルヴァール氏に聞いた。
----:C4カクタスにおけるデザインの特徴を教えてください。またシトロエンといえば「ちょっとヘンなデザイン」というイメージですが、それについてどう思われますか?
アレクサンドル・マルヴァール氏:「ヘン」というのが「ストレンジ(奇妙)」ということなら、シトロエンというブランドを理解していただけていないということでしょうね。「ディファレント(他とは違う)」ということであれば、それはポジティブなものとして受け取りますよ。
C4カクタスのデザインは、今後のシトロエンのデザイン・マニフェストです。その哲学は、シンプルかつピュアであること。そしてディテールはプロダクトデザイン、とくにスポーツ用品のように存在感がありつつ、さりげないデザインを心がけています。
たとえばボディを囲む「エアバンプ」はハイテクなシューズのようですよね。コンセプトカーの『エアクロス』や『カクタスM』も、この思想に従ったデザインです。エアクロスではカクタスの構成要素を典型的なSUVのシルエットに合わせて翻案したといえるでしょう。
エクステリアもインテリアも、水平基調で安定感のあるデザインです。アグレッシブさはありません。もちろん、すべてが完全な水平というわけではなく、わずかに傾斜することもありますが、他ブランドのようにシャープさを表現することはないのです。
私たちは常に、クルマに実直さと実用性を備えたいと考えています。そこでC4カクタスではダッシュボードやセンターコンソールの位置を見直し、ストレージに新しいアイデアを取り入れました。
またシトロエンというブランドは歴史的に、座り心地がよく快適で、革新的なシートを考えてきました。ソファーのようなシートはビンテージカーのようでいて、クールで快適です。
ちなみにC4カクタスの担当デザイナーは日本で働いた経験があり、軽自動車に強い興味を持っています。またマンガ等のポップカルチャーも大好きです。わたしもC4カクタスには、どことなくそうした日本のカルチャーにも通じる感覚があるのではないかと感じています。