【東京モーターショー15】5分の充電で120km走れる!? バッテリーの常識くつがえす小型EV…STYLE-D

自動車 ニューモデル モーターショー
STYLE-D(東京モーターショー15)
STYLE-D(東京モーターショー15) 全 6 枚 拡大写真

人気のマツダやレクサス、日産、ホンダといったわかり易い注目ブース以外にも、あっと驚くような光る技術が存在するのがモーターショー、一押しの技術がこれだ。

西館4階、スマートモビリティーシティーの01ブースにあるのが、株式会社STYLE-Dというベンチャー企業。近づくとすぐに、まるで昔のBMW「イセッタ」のようなクルマが出迎えてくれる。その名も「ピアーナ」と名付けられたこのクルマ、STYLE-Dの山下社長が、子供の頃憧れたクルマを具現したものだという。

二人乗りで、ドアは前部にあり、ミニバンのように上下に開閉する。室内は快適そうな二人乗りの空間がある。全長×全幅×全高、2498×1480×1600mmというコンパクトな外寸で、動力源はモーターとバッテリーによるフルエレクトリックである。ついつい、その可愛らしい外観に目を奪われがちだが、すごいのはそのバッテリーだ。

次世代リチウムイオンバッテリーと名付けられたそれは、シングルセルが2.4V、15Ahという低電圧で、最大定格電流が20Cというものだそうだが、すごいのはここから。

車重400kgのこのクルマにはそれが合計72V 50Ahという性能で二つ搭載されているのだが、フル充電で走れる距離は120km、そしてなんとフル充電にかかる時間はたったの5分だという。まるで夢のような電池であり、その特徴はさらに、単セルの電圧が低いため安全性が高く、短絡しても安全でたとえプラス、マイナスを逆につないでしまっても安全、さらに既存鉛バッテリーにそのまま置き換えることも可能だし、自然放電もほとんどなく、非常に耐久性が高いのだそうである。

まあ、これまでのリチウムイオンバッテリーの常識を完全に覆す、あまりの美辞麗句が並ぶので、にわかには信じがたいような諸性能を持っている。

STYLE-Dのブースにはこのピアーナに搭載されたのとは別のバッテリーが展示されていて、実際に手に取って持ってみたが、14.4V 4Ahの性能を持つそれは、重さにして1kgもない。これを二つ並列に繋げば、既存の自動車搭載用鉛バッテリーに置き換えることのできる性能を持っているそうだ。まだ、量産化に至っておらず、展示されたバッテリーも手作りのものだというが、単なる置物ではなく、ちゃんとバッテリーとして機能するものだそうで、このバッテリーの将来はもしかすると、革命を起こすかもしれない。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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