【東京モーターショー15】トヨタが見据える次世代交通のあり方とは…ITSコネクト と Ha:mo

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『ITSコネクト』の具体的なデモを行ったトヨタ
『ITSコネクト』の具体的なデモを行ったトヨタ 全 15 枚 拡大写真

トヨタ自動車は西4ホールで開催中のSMART MOBILITY CITY内自社ブースで、路車・車車間通信を行う『ITSコネクト』や超小型モビリティ社会の実現を目指す『Ha:mo(ハーモ)』を出展。10月29日には同社専務役員の友山茂樹氏によるプレスカンファレンスが開催された。

友山氏はまず「国内の事故総件数のうち約4割は出会い頭や左折時の事故。クルマのセンサーだけでは対応しきれない。そこで官民一体で開発を進めてきたのが協調型ITSとよばれる世界初の技術。トヨタは『ITSコネクト』として新型クラウンから搭載を開始した」と、ITSコネクトの開発経緯を説明した。

ITSコネクトは道路の右側に設けられたセンサーが車両や歩行者を検知して、760MHz周波数帯の電波を使い搭載車に知らせるもの。車両センサーだけでは捉えきれない、見通しの悪い交差点などの情報を受け取ることが可能だ。また、この電波は車両同士でも通信を行い、位置や速度を交換することでスムーズな高度運転支援を行う。友山氏は「今後、搭載車が増えてくることで衝突を回避できる。トヨタはこのサービスを、交通事故ゼロ社会の実現を目指す有効な手段と考えている」と説明した。

この後、愛知県での運用例を参考にその効果をデモを通じて解説。最初に紹介したのは、右折時にITSコネクトがドライバーにどのように注意喚起するか。横断歩道にいる歩行者や対向車線から進んでくる車両の存在を告知し、進もうとすると警報音も伴ってそれを知らせる効果を確認できた。その他、車車間通信の実例も紹介した。友山氏は「現在は東京都・愛知県の2地域で路側の整備を行ったが、行政側と連携を進め普及に努めたい」とした。

続いて紹介されたのが次世代交通システム「ハーモ」。友山氏はハーモを「公共交通機関と最終目的地をスモールビークルのシェアリングサービスでつなぐ、低炭素社会に向けた交通システム」と位置付け、「移動の自由、地域活性化、環境負荷の低減を実現する」とした。愛知県豊田市とフランス・グルノーブルで大規模な実験を行っていることも紹介し、今後はシーンに応じた利用方法を提案していくとした。また、東京都内ではパーク24との提携により24時間駐車場の空きスペースを利用した展開も拡大中であるという。

そして今回新たな取り組み例として紹介されたのが沖縄県本部町での観光地モデルの実証実験。「沖縄県の本部半島で来年1月より開始。観光客の増加で環境負荷の低減が求められる一方、小さな観光スポットや店舗に気軽に立ち寄れる地域振興策に役立つ。今回は本部町にあるホテルなど6個所にハーモステーションを設置した」(友山氏)と説明した。

また、次世代ハーモへの搭載を目指す開発中の「ヒューマンインターフェイス」も紹介。車内に風切り音が入り込んでも有効に機能するクラウドにつながった音声認識エージェントと、大型ヘッドアップディスプレイを用いたルート案内が次世代ハーモの可能性を開く。トヨタはハーモにより、人と社会の絆作りと地域の活性化に貢献していく」との考えを示した。

最後にサプライズとして、トヨタ自動車の代表取締役 豊田章男氏が登場。「トヨタは自動運転の分野で遅れているのではないかとよく言われるが、開発は常に前向きに行っている。今後を期待して欲しい」と、自動運転に対する意欲を見せた。

《会田肇》

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