【東京モーターショー15】電子制御マニュアルをハイブリッド化で「トルクの谷」解消…スズキ

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スズキブースでほぼ何の説明もなくポンと置かれているハイブリッド用シャシー
スズキブースでほぼ何の説明もなくポンと置かれているハイブリッド用シャシー 全 8 枚 拡大写真

スズキというと、どうしてもステージの上にある『エアトライサー』や『マイティデッキ』などの派手なディスプレイに目を奪われがちだが、この会社の技術には目を見張らされるものがある。

それがさりげなく置かれていたハイブリッドのベアシャシー。ハイブリッドと言われて今時驚くような代物ではないのだが、このハイブリッド車に使われているトランスミッションが、実は『アルト』に搭載されて話題を呼んだ「AGS」である。

オートギアシフト、いわゆるシングルクラッチの電子制御マニュアルであるAGS。このシングルクラッチの電子制御マニュアルは、特にトルクの大きな低速ギアの変速時に大きなトルクの谷が出来て、走りに不快感があることで敬遠されがちなもの。スズキのAGSはそれが大いに改善されていて評判になったのだが、それでも通常のオートマチックあるいはDCT(ツインクラッチトランスミッション)に比べたら、顕著にトルクの谷を感じてしまうトランスミッションだ。

実はこのハイブリッド、普通のEV走行やハイブリッド走行、加速時のモーターアシストなどは当たり前として、エンジン走行時の変速におけるそのトルクの谷間をモーターでアシストし、シームレスな走行を可能にした画期的なものなのである。まだ、試乗をしていないのでその感想を話すことはできないが、少なくとも聞くところによれば通常のオートマチック並のスムーズさを確保しているそうだ。

他にも、さりげなく一昨年の東京モーターショーで展示していた空冷式燃料電池スクーターのスタックを新たに展示したり、2輪用のターボエンジンを展示したりと、つぶさに見ていかないと絶対に見逃してしまいそうな新技術がさりげなく展示されている。因みに燃料電池スクーターはすでにすでに実証実験を終わり、あとは国の認可さえ下りれば市販に移せる段階まで来ているという。

《中村 孝仁》

中村 孝仁

中村孝仁(なかむらたかひと)|AJAJ会員 1952年生まれ、4歳にしてモーターマガジンの誌面を飾るクルマ好き。その後スーパーカーショップのバイトに始まり、ノバエンジニアリングの丁稚メカを経験し、さらにドイツでクルマ修行。1977年にジャーナリズム業界に入り、以来45年間、フリージャーナリストとして活動を続けている。また、現在は企業やシニア向け運転講習の会社、ショーファデプト代表取締役も務める。

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