エミレーツ航空は、野生生物の違法取引と戦う非営利団体「ユナイテッド・フォー・ワイルドライフ」を支援する取り組みとして、11月2日・5日に絶滅寸前の野生生物を特別に塗装したエアバスA380を就航させる。
ユナイテッド・フォー・ワイルドライフは、英国王室のウィリアム王子とハリー王子が立ち上げ、キャサリン妃がパトロンを務める「ロイヤルファウンデーション」によって創設され、野生生物の保護分野で世界的に影響力を有する7団体が協力。アンバサダーには元サッカー選手のデビッド・ベッカム、テニス選手のアンディ・マレーらが名を連ねている。
ユナイテッド・フォー・ワイルドライフ特別委員会のウィリアム・ヘイグ委員長は、野生生物の違法取引が環境問題にとどまらず、汚職や資金洗浄と密接に関わっており、時には貧困著しい国・地域の経済発展を阻害していると指摘。エミレーツの特別塗装機就航を歓迎する英国の前外相は、密猟・密輸を取り締まるだけでなく、消費者教育の充実も図るべきという考えを示した。
エミレーツは独自の取り組みとして、スタッフが違法に輸送される野生生物をより確実に発見・対処できるよう、国際組織との協力を進めていることを明らかにした。また、ドバイに拠点を置くエアラインは野生生物移動に必要な書類の偽造を考慮し、狩猟記念品の輸送を禁止している。
絶滅寸前の野生生物が描かれた特別塗装機は、2日に英国のロンドン・ヒースロー空港、5日にモーリシャスのサー・シウサガル・ラングーラム空港に向かう。エミレーツによると、塗装はそれぞれ異なっているとのこと。