トヨタ豊田社長「自動車以外の産業を興すことも」…人工知能研究の米新会社設立

自動車 ビジネス 企業動向
トヨタ・リサーチ・インスティテュートのCEOに就任するギル・プラット氏(左)と豊田章男社長(右)
トヨタ・リサーチ・インスティテュートのCEOに就任するギル・プラット氏(左)と豊田章男社長(右) 全 2 枚 拡大写真

トヨタ自動車の豊田章男社長は11月6日、都内で記者会見し、人工知能(AI)技術の研究・開発会社を2016年1月に米国カリフォルニア州のシリコンバレーに設立すると発表した。

新会社は「トヨタ・リサーチ・インスティテュート」(TRI)で、今後5年間に10億ドル(約1200億円)を投じ、200人規模で研究に取り組む。会見には新会社のCEOに就任する同社の上級技術アドバイザーのギル・プラット氏も出席した。

プラット氏は1961年米国生まれ。米マサチューセッツ工科大学(MIT)の教授や、米国防総省主催の災害救助用ロボット競技大会のプログラムマネージャーなどを務めたAIやロボット研究の権威。会見でプラット氏は、ビッグデータを活用しながら、当面は「クルマの安全、誰もが自由に移動できるアクセスビリティ、尊厳ある老後をサポートするなどのロボット」という3分野でのAI技術に取り組むと表明した。

クルマでは自動運転向けのAIによって安全技術の向上につなげていく。プラット氏はまた、「製造管理ではトヨタ生産方式の革新、さらに新材料の発掘などにもつなげることで社会に貢献したい」と語った。

豊田社長は「AIとビッグデータの活用は、安全で楽しいモビリティ社会に通じるし、自動車以外の新しい産業を興すことも可能になる。社会に貢献したいというプラット氏の志は、トヨタの創業精神と全く一致しており、一緒にイノベーションを追求していきたい」と語った。

トヨタは9月にMITおよびスタンフォード大学のAI分野の研究所と、それぞれ「連携研究センター」を設立することで合意している。こちらには今後5年間で5000万ドル(約60億円)を投じ、クルマやロボットの知能化研究を推進するが、プラット氏は2大学との連携研究センターへのアドバイスも行っていく。

《池原照雄》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 最後のフォードエンジン搭載ケータハム、「セブン 310アンコール」発表
  3. 高機能ヘルメットスタンド、梅雨・湿気から解放する乾燥ファン搭載でMakuake登場
  4. 船上で水素を製造できる「エナジー・オブザーバー」が9年間の航海へ
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
  2. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  3. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  4. BYD、認定中古車にも「10年30万km」バッテリーSoH保証適用
  5. 「あれはなんだ?」BYDが“軽EV”を作る気になった会長の一言
ランキングをもっと見る