【スーパーフォーミュラ 最終戦】第1レースをロッテラーが制す…石浦が2位で王座に前進、可夢偉3位

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
SFの今季最終戦鈴鹿、第1レースを勝ったアンドレ・ロッテラー。
SFの今季最終戦鈴鹿、第1レースを勝ったアンドレ・ロッテラー。 全 16 枚 拡大写真

8日、決勝日を迎えた全日本選手権スーパーフォーミュラ(SF)最終戦鈴鹿は、午前中に第1レース決勝を行ない、アンドレ・ロッテラーがポール・トゥ・ウインで今季3勝目を挙げた。2位は石浦宏明、3位は小林可夢偉で、石浦は初タイトル獲得に大きく近づいている。

2レースを戦う決勝日は予報通り、雨。朝10時にフォーメーションラップスタートの第1レースはウエット路面での戦い、レインタイヤの出番となった。20周、約116kmの超スプリント戦なので、天候や路面状態の急変によるタイヤ交換の必要等が生じない限り、全19台がノーピットを企図しての“行ったきり勝負”となる。

エンジン交換ペナルティによるグリッドダウンも複数あったが、ドライバーズチャンピオン争い有資格者4名のグリッド位置に影響はなく、それぞれが以下のような状況を背負ってスタートを迎えた(末尾の点数は現状のドライバーズポイント)。

ポールポジション:アンドレ・ロッテラー(#2 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)32点
2番グリッド:石浦宏明(#38 P.MU/CERUMO・INGING/トヨタ)45点
5番グリッド:中嶋一貴(#1 PETRONAS TEAM TOM’S/トヨタ)39点
7番グリッド:ジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ(#19 LENOVO TEAM IMPUL/トヨタ)31点

石浦はこの第1レースで優勝すれば王座獲得決定、2~5位でも他選手の順位次第で決まる可能性がある。一貴は今日2連勝なら、石浦の結果に関係なく自力逆転王座。ロッテラーとオリベイラは今日2連勝が王座の最低条件で、しかも他力が必要だ。つまり、少なくともどちらかは第1レースで王座争いから脱落する。

スタートがセーフティカー(SC)先導となり、3周目にレースが実質的に始まった。そこからロッテラーは快調に石浦との差を広げていく。ロッテラーに勝たれてもそれほど痛くない石浦は、王座を意識して後ろを見ながら前方視界も確保して、というクレバーなレース運びに徹していたと考えられるが、それも逃げるロッテラーには奏功し、そもそも雨が得意中の得意であるロッテラーは独走に近いリードを築いていくことに。

そのまま逃げ切って、ロッテラーは前戦に続く連勝で今季3勝目を挙げる。石浦は、予選3位のジェームス・ロシター(#3 KONDO RACING/トヨタ)や同4位の小林可夢偉(#8 KYGNUS SUNOCO Team LeMans/トヨタ)に背後を脅かされるシーンもあったが、ロシターが16周目にコースアウトしてリタイアとなり、その後は可夢偉との直接攻防も凌いで、2位を守り切ってゴールした。3位は可夢偉。そして終始、予選順位通りの5番手を走っていた一貴が、ロシターの離脱によって4位に上がってチェッカーを受けた。

石浦が2位で一貴が5位以下なら石浦の王座が決まっていたが、一貴は4位になったことで、かろうじて望みが第2レースにつながった。ロッテラーとオリベイラ(第1レースは接触等がありリタイア)はタイトル争いから脱落。第2レースで「一貴優勝、石浦9位以下」のケースのみ、一貴が逆転王座となる(第2レース、一貴は予選4位)。石浦は第2レース(予選7位)で0.5点(8位)獲得すれば自力王座、あと半歩まで来た。

優勝のロッテラー:「安全を考えてのコンサバティブな判断だと思うが、SCスタートというのは自分にとってはちょっとつまらないな、とも思ったけどね。今はふたつの感情が入り交じっている。第1レースを勝てたことは嬉しいが、自分のチャンピオンシップが終わってしまったことは残念だ。ただ、第2レース(予選2位)ではまた勝利を目指して頑張りたい」。

2位の石浦:「SCスタートになったことが自分にとっていいのかわるいのか、と思っていましたが、前を見たらイン側(偶数列)グリッドの前方の水が多かったので、僕にはラッキーだったんでしょうね。タイトル争いのことを考えると、なんとしても2位は守りたいと思っていたんですが、残り5~6周から水の量が増した時はかなりリスキーな状況で、僕もハーフスピンしたりしていました。とりあえずゴールできてホッとしています。ジェームス(ロシター)が止まってしまったことで(一貴が4位に上がり)タイトルが決まらなかったというのには、ちょっとガッカリしましたけどね(笑)。油断せずに気を引き締めて、第2レースでも可能な限りポイントを多く獲ろうと思います」。

3位の可夢偉:「直前の8分間の走行で速かったし、スタート(を練習した感触)も良かったので、SCスタートになった時は『帰ろうかな』と思いました(笑)。でも、まずこうして3位になれてよかったと思います。第2レース(予選5位)はSC先導ではないスタートから戦いたいですね」。

第1レースの決勝5位は野尻智紀(#40 DOCOMO TEAM DANDELION RACING)でホンダ最上位。6位もホンダ勢で、ベテランの小暮卓史(#34 DRAGO CORSE)が続いている。

第2レース(28周)はこの後、15時にフォーメーションラップスタート予定。予選7位の石浦が8位以内死守を目指せばいい一方、予選4位の一貴が奇跡を起こすためにはとにかくまず勝つしかない(予選2位の僚友ロッテラーの援護は期待できるだろう)。また、第2レースの予選では山本尚貴(#16 TEAM 無限)がポール、野尻が3位とホンダ勢も上位につけており、彼らがトヨタ勢の今季全勝阻止を果たせるかどうかも、石浦VS一貴の決着同様に焦点となりそうだ。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る