水冷エンジンはオプション、空冷Vツインを将来も続ける…ハーレーダビッドソン上席副社長が明言

モーターサイクル 企業動向
ハーレーダビッドソン・シニアバイスプレジデント ビル・ダビッドソン氏。インドネシア・バリにて
ハーレーダビッドソン・シニアバイスプレジデント ビル・ダビッドソン氏。インドネシア・バリにて 全 10 枚 拡大写真

1903年、米国ウィスコンシン州ミルウォーキーで生まれたハーレーダビッドソン。シニアバイスプレジデントとしてH-D社の上層部に就くビル・ダビッドソン氏は、創業者のひとりであるダビッドソン家の末裔。今回、ハーレーの将来について話を聞くことが出来た。

まず、ハーレーのビッグツインエンジンでも一部で空水冷化が始まり、ライバル勢でも水冷化エンジンの開発に拍車がかかっているが、いずれハーレーも水冷エンジンが主流になるのか、聞いた。

「水冷エンジンはあくまでもオプションでしかありません。我々の伝統である空冷Vツインエンジンがメインであることはこれから先も変わりませんし、我々の空冷Vツインエンジンは、将来的にも素晴らしいものだと信じています」(ビル・ダビッドソン氏)

ツインクールドエンジン、新水冷エンジン搭載の「STREET750」など、最近のハーレーの進化の加速度は高まるばかりだが、それほどにチェンジ、改革が必要だと考えているのか?

「我々の一番重要な目的はワォ! という驚きの製品を皆さんに提供することです。そして早くリリースすればいいというわけではなく、我々はユーザーやディーラーの意識をしっかり調査しています。ニーズを把握して、それに応える製品を開発する。そして、さまざまなマーケットで成功するために、フレキシビリティでなければならないと思っています」(同氏)

今後、マーケットが拡大するであろう新興国で成功するためには、何が必要だと感じているのかという問いかけに対しては。

「すでに大半の国で販売がスタートしていますし、ラッキーなことにブランドを知ってもらっていて、すでに我々はその市場で成功しています。どんな地域のマーケットでも、ハーレーダビッドソンは何も変わりません」

「どこの国に行っても同じイメージを持っていただいてビックリしていますし、喜んでいます。そもそも新しいマーケットへの挑戦は、ずっとやってきたことです。1903年に創業し、その20年後には68か国での販売が始まっていましたからね」(同氏)

今回のインタービューで、ハーレーは今後も空冷Vツインエンジンにこだわり続けることと、ブランド力に絶対的な自信を持っていることがわかった。

《青木タカオ》

モーターサイクルジャーナリスト 青木タカオ

バイク専門誌編集部員を経て、二輪ジャーナリストに転身。多くの専門誌への試乗インプレッション寄稿で得た経験をもとにした独自の視点とともに、ビギナーの目線に絶えず立ち返ってわかりやすく解説。休日にバイクを楽しむ等身大のライダーそのものの感覚が幅広く支持され、現在多数のバイク専門誌、一般総合誌、WEBメディアで執筆中。バイク関連著書もある。

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