22日に富士スピードウェイで開催された「TOYOTA GAZOO Racing FESTIVAL 2015」で、SUPER GT(GT300クラス)に参戦を続け、先日引退発表があった『ZVW30型 PRIUS GT』が現役ラストランを行った。
2012年にaprの31号車としてデビュー。レーシングカーとは程遠い『プリウス』をベースとしたモデルであること、さらにSUPER GTでは初めてとなるハイブリッドカー導入ということもあり、当時注目を集めた。
参戦初期はトラブルが続発し苦しんだが、同年の第6戦富士でポールポジションを獲得。決勝でもGT300の名門であるポルシェと終盤までトップ争いを演じるなど多くのレースファンを沸かせる走りを披露した。
2013年の第2戦富士でホンダ『CR-Z GT』とのハイブリッドカー対決を制し見事初優勝。2014年は勝利から遠ざかったものの、集大成となった今季は開幕戦岡山で勝利し、その後も常に上位争いを披露。ただ、ここ一番というところで不運なトラブルに見舞われシリーズチャンピオンの座を逃してしまったが、全車ウェイトハンデがなくなった最終戦もてぎでは一時同クラスのマシンを周回遅れにする勢いをみせ、今季2勝目。完璧なレース運びで公式戦を締めくくった。
シーズン終了後の『プリウスGT』引退発表だったため、当日の会場には最後の勇姿をみようとガレージにも熱心なファンが駆けつけ、写真撮影なども行っていた。そしてスーパーフォーミュラ、SUPER GT両クラスが混走するスペシャルデモレースでは、同じクラスのライバル相手に力強い走りをみせ、フィニッシュ。現行モデルであり、SUPER GTとしては新しい歴史の1ページを作ることになった現行のプリウスGTは、ここでレースを終了することになった。