【フォード フォーカス 試乗】先進装備の搭載に加え、走りも楽しさも大幅アップ...会田肇

試乗記 輸入車
フォード フォーカス
フォード フォーカス 全 12 枚 拡大写真

一目でフォード車と分かる個性的なフロントグリルを備えて新登場した新型『フォーカス』。パワートレインも2013年の導入時の2.0リットル直噴エンジン+DCTから1.5リットルエコブーストエンジン+6速ステップATへと変更した。格段に向上したその走りを味わった。

【画像全12枚】

2013年に3世代目が登場した時、正直言って印象に残りにくいデザインと感じていた。それが今回のフェイスリフトでガラリと変わった。『フィエスタ』とも共通するフォード車ならではのデザインは、躍動的な走りを否応なしに感じさせるもの。しかも、従来のボディラインに違和感なくつながっているのが巧い。その完成度は極めて高く、メインカラーのブルーメタリックに纏った実車を見た時、思わず「カッコ良い!」とつぶやきが出てしまったほどだ。

車内で変更されたのは、ステアリングのデザインとセンターコンソールにあるモニター周辺部。ステアリングは従来の4本スポークから3本スポークのスポーティなものに変わり、モニターは8型となってソニー製オーディオの操作系もグッとシンプルなものになった。ダッシュボードにはソフトパッドが多用され、300万円超えのこのクラスとして十分なクオリティが確保されていると言っていい。

装備面では上級グレードの「スポーツ+ エコブースト」が圧倒的にお得だ。標準グレード「スポーツ エコブースト」との価格差は40万円。しかし、アダプティブ クルーズコントロールに車線逸脱を警告するレーンキーピングエイド、縦列/並列の両駐車対応のエンハンスド アクティブパークアシスト、リアビューカメラ、360°センシングシステムなど先進の運転支援システムが備わり、本革と合皮を交えたパワーシートも追加される。40万円の価格差をはるかに超える充実装備が備わっていると言っていいだろう。

インフォテイメント システムには、OSがMicrosoft Autoの「SYNC」を搭載する。2014年12月にはBlackBerry QNXをOSに採用する「SYNC3」が発表されたが、現時点では未導入だ。インターフェイスも英語で行う必要があり、ナビ機能もSYNC上では使えない。ただ、それをベースとした「My Ford Touch」はタッチ操作で使えるようになり、使い勝手は大きく向上した。

さらに嬉しいのが、ステアリング部の操作スイッチで日本専用のナビに切り換えられることだ。ナビはパナソニック製が採用されており信頼性も高い。コンソールに用意されたUSB端子にはiPod/iPhoneなどが接続でき、スマートフォンなどの充電にも対応できる。

さて、パワートレインを大きく変えたフォーカス。最高出力は10psアップの180psとなり、最大トルクは38Nm増の240Nmに。重めの車重(1420kg)のせいか、発進時こそややモタツキ感は感じるが、1600~5000rpmのワイドレンジで発生するトルクに乗ってしまえばパワフルなことこの上なし。瞬発力も高く、アッという間に予想を超える速度域に達してしまう。パドルシフトも新設されて、このトルク域をキープしやすいのもありがたい。

足回りはどうか。もともとフォーカスはコシのあるしっかりとした乗り味が上質さを感じさせていたが、その魅力はまったく失われていない。箱根の峠道を走る中でストロークをたっぷりとったサスペンションが快適な乗り心地を支えてくれ、コーナリングでのトレース性もかなり高かった。試乗した箱根の道を走るのが楽しくて、制限のある試乗時間をうっかりタイムオーバーしてしまったほどだ。

このセグメントは手強いライバルがひしめく“激戦区”。その中で新型フォーカスは十分に戦える能力を備えているのは間違いない。個性的なデザインは街中でも存在感を発揮するし、先進機能が追加されたことで魅力度はさらに増した。走りも乗り味も納得いくレベルにある。価格は決して安くはないが、持つことの満足度はかなり高くなったと言っていいだろう。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★
フットワーク:★★★★★
オススメ度:★★★★

会田 肇|AJAJ会員
1956年・茨城県生まれ。明治大学政経学部卒。大学卒業後、自動車専門誌の編集部に所属し、1986年よりフリーランスとして独立。主としてカーナビゲーションやITS分野で執筆活動を展開し、それに伴い新型車の試乗もこなす。 

《会田肇》

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