三菱 i-MiEV ベースのインホイールモータ車…「“手術”を避けたシンプルな構造」を支える足

エコカー EV
東京・田町の三菱自動車工業本社で公開されたコンバートEV実証実験車「OVEC-TWO」(1月11日)
東京・田町の三菱自動車工業本社で公開されたコンバートEV実証実験車「OVEC-TWO」(1月11日) 全 8 枚 拡大写真

三菱自動車工業やおかやま次世代自動車技術研究開発センター(OVEC)などが共同で製作した、『i-MiEV』ベースの小型インホイールモータ車『OVEC-TWO』は、「できるだけベース車両のボディ構造を活かし、インホイールモータ化への“手術”を避けたシンプルな構造」という。

i-MiEVの後部に収まっていたインベータ、モータ、減速機、ドライブシャフトなどをはずし、新たに運動制御ECU(DVCU)や専用インバータ、アウターロータ式ダイレクトドライブインホイールモータなどを装着したOVEC-TWO。その担当者は「ベース車のボディに、新規のダブルウィッシュボーンサスを支えるクロスメンバの取り付け用ブラケットを追加しただけ。そのほかはいじっていない」という。

リアの新規ダブルウィッシュボーンサスについて担当者は「後輪のインホイールモータ化と、乗心地、操縦安定性などを考慮し、ダブルウイッシュボーン式を採用・開発。サス前部はもともとあったマウントで、後部は新たに追加したブラケットとマウントで、ボディに装着されている」という。さらに、そのロアアーム部分に黒いテープが巻かれていた。担当者は「これは、歪み試験用のゲージをテープでとめているだけ」と説明した。

i-MiEVにもともと付いていたドラムブレーキは、インホイールモータ化で、それよりも内側(アッパーアームとロアアームの間付近)に設置された。「インホイールモータはダイレクトドライブのため、減速機が不要となり高効率。この結果、駆動用バッテリ容量を10%ほどアップできるぐらいの空きスペースが生まれた」とも担当者はいう。

「今後、さまざまな路面状況や環境で試していく」という担当者。今後については、「重量はベース車より10kg増加したが、ダッシュパネルパッドやヘッドライニングに新素材を用いて軽量化を図ることなどで、“体重増”をおさえた。やっぱりインホイールモータがもっとも重い。このモータの軽量化や部品数削減なども追求していきたい」と話していた。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 「ハンズオフ」は本当に必要なのか? 高速での手離し運転を実現したホンダ『アコード』を試乗して感じた「意識の変化」
  2. 「強烈な需要がありそう」スバルの3列シートSUV『アセント』が今、SNSで話題に
  3. 三菱『パジェロ』7年ぶり日本復活か!? 日産 パトロール 派生モデルの可能性も
  4. 21車種・64万台超、トヨタ自動車の大規模リコールに注目集まる…7月掲載のリコール記事ランキング
  5. 軽EV市場に新顔登場、ホンダ『N-ONE e:』と競合する車種
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「AIディファインド」の衝撃、日本の自動車産業は新たな波に飲み込まれるのか…アクセンチュア シニア・マネジャー 藤本雄一郎氏[インタビュー]
  2. ブレンボが新ブレーキ開発、粒子状物質を削減…寿命も最大2倍に
  3. ステランティスの水素事業撤退、シンビオに深刻な影響…フォルヴィアとミシュランが懸念表明
  4. スズキ初のBEVはなぜ「軽EV」じゃない?『eビターラ』開発者が語る「EVの悪循環」と「スズキの強み」
  5. SUBARUの次世代アイサイト、画像認識技術と最新AI技術融合へ…開発にHPEサーバー導入
ランキングをもっと見る