NTTデータ、レーサーの生体情報を取得する実証実験…機能素材「hitoe」を活用

自動車 ビジネス 企業動向
「hitoe」技術を活用したドライバーのアンダーシャツ(耐火性素材)
「hitoe」技術を活用したドライバーのアンダーシャツ(耐火性素材) 全 2 枚 拡大写真

NTTデータは、NTT物性科学基礎研究所、米国レーシングチームChip Ganassi Racing、トニー・カナーン氏協力のもと、2015年6月から8月に行われた米国インディカー・シリーズで、走行時のドライバーの生体情報を取得する実証実験を実施した。

今回の実証実験は、最高時速235マイル(約378km/h)という過酷な環境下、レースドライバーの身体能力や運動状態を可視化することを目的に実施した。着るだけで生体情報の連続計測を可能とする機能素材「hitoe(ヒトエ)」の技術を用いてドライバーの心電波形(ECG)や心拍、胸部の筋電(EMG)などの生体情報を取得することに成功した。

NTTデータは、これまでも心拍数、心拍間隔から自律神経のバランスを計算してオフィスワーカーのストレスや疲労度の提示、高齢者の生体情報を計測し自立生活を支援するための見守りサービスに活用することを目的とした研究開発に取り組んできた。

今回、新たなサービス分野を創出することを想定、身体負荷の高い環境で、生体情報を計測・分析する実証実験を行った。

インディカーレースの安全管理規定では、耐熱性素材のみ着用が許される。このため、耐熱性素材でhitoe技術ベースのセンサーを作成し、同素材をアンダーシャツに取り付ける特別仕様のシャツをNTT研究所とNTTデータで作成した。生体情報の計測では、車の振動による身体の大きな揺れ、大量の発汗、それらによるノイズなど、計測に際してさまざまな課題があった。

今回の実証実験では、課題をクリアし、レース走行中のドライバーの心電波形や心拍、筋電などの生体情報を取得することに成功した。これら生体情報とともに車の状態の情報(速度、加速度、傾き、ハンドル切角など)も合わせて分析することによって高速レースでドライバーの身体状態の一端が見えてくる。

今後、NTTデータでは、今回の実証実験で取得した生体情報とレース走行時の車の状態をかけ合わせて分析を進め、外からは見えにくいレースドライバーの身体能力や運動状態、ドライビングにおける身体の使い方などを可視化する。

また、これら生体情報の取得・分析技術を他のプロジェクトへ展開、生体情報の活用を軸としたサービスの創出を推進する。

《レスポンス編集部》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. ベントレーの超高級住宅、最上階は「55億円」 クルマで61階の自宅まで
  2. 日産の新型セダン『N7』、発売50日で受注2万台を突破
  3. 【ダイハツ ムーヴ 新型】「ポッキー入れ」にイルミネーション、軽自動車でも質感を“あきらめさせない”インテリアとは
  4. トヨタ RAV4 新型、PHEVのEV航続は150km
  5. タワーバーだけじゃない! ボディ補強パーツの最新事情と乗り味革命~カスタムHOW TO~
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 茨城県内4エリアでBYDの大型EVバス「K8 2.0」が運行開始
  4. 中国EV「XPENG」、電動SUV2車種を改良…新電池は12分で80%充電可能
  5. コンチネンタル、EVモーター用の新センサー技術開発…精密な温度測定可能に
ランキングをもっと見る