【スーパーフォーミュラ 鈴鹿テスト】僅差接戦の最終日…トップタイムは中嶋大祐、2番手に可夢偉

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#64 中嶋大祐がトップタイム。
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15日、全日本スーパーフォーミュラ選手権(SF)の今季第1回公式合同テストが最終日を迎え、計4日間に及んだ今回の鈴鹿テストにおける総合最速タイムを中嶋大祐がマークした。2番手は小林可夢偉。

鈴鹿ファン感謝デー(12~13日)におけるテストランやデモレースを含め、鈴鹿で連続4日間という開幕前の貴重なテスト機会となった今回。前日(14日)は雨と低温により午前のみの走行となってしまったが、最終日は午前午後で計約4時間30分のドライセッションに恵まれた。スピン車両等回収のための赤旗中断は何度かあり、またトラブルで長時間コースインできない状態のマシンがあったりもしたが、午前午後とも大きなアクシデントはなく、ヨコハマタイヤ初年度の開幕に向け、各陣営がデータ収集とセットアップの煮詰めを精力的に行なっている。

前日の雨のセッションでマシンが大破してしまった塚越広大(#10 REAL/エンジンはホンダ)は残念ながらこの日は不出走。最終日の走行に参加したのは他のレギュラー参戦選手18人に、ホンダのテストカーを駆るGP2参戦ドライバーの松下信治を加えた19人である。

タイムが出る方向の風向きにも恵まれたこの日は、午前中から上位10人が1分37秒台に入る高次元タイム領域でのテスト推移に。そして午後のセッションの終盤、3時を過ぎる頃合いから多くのマシンが予選アタック最終シミュレートと思われるモードに突入した。予選本番さながらの緊張感も伴いつつの攻防が展開され、最終的には上位4人が0.067秒差(1分36秒706~773)におさまるという僅差大接戦。それを制したのが中嶋大祐(#64 NAKAJIMA/ホンダ)であった。

中嶋大祐は、NAKAJIMA RACINGの監督であり日本人初代F1レギュラー選手だった中嶋悟さんの次男で、中嶋一貴(#37 TOM'S/トヨタ)の弟。日英のF3参戦を経たのち、2011年から全日本トップフォーミュラ(現SF)をNAKAJIMA RACINGで戦っている27歳だ。NAKAJIMAは幾人ものチャンピオンを輩出した名門だが、近年は正直なところ苦戦期にあり、そこにキャリアが重なった大祐はまだ優勝がない(最高位は2位)。

しかしチームは昨季途中、体制面の大幅な刷新に乗り出した。海外からのエンジニアリングスタッフの加入などで、名門再興に向け着々と力を蓄えている雰囲気を醸し出してきていた。そして今回4日間のテストでは、どういう局面でも大祐と僚友B.バゲット(#65)のどちらかは常にタイムシートの上の方にいた印象。目に見えて成果が出始めたと思われたところで、大祐が景気良くトップタイムをマークした。

中嶋大祐のコメント
「アタックは良かったですよ。今までは(マシンセッティングの)ベースをつくるのに、ああでもない、こうでもない、という感じでしたが、去年の途中から今のメンバーに固定されて、いいベースができた上に、そこからどうタイムを削っていこうかというところを冬の間にかなり細かいレベルでやってきましたからね。みんなとの努力を(タイムと順位に)反映させることができたと思います」。

体制も整いつつある状況でのトップタイム、これは名門復活と自身初優勝に向かって怪気炎、と思いたくなるところだが、そう簡単でないことも大祐はしっかり理解している。

「結局、今日もコンマ1秒に4~5台っていう状況ですからね。誰もがトップになる可能性とビリになる可能性がある、そういう厳しいシリーズですし、テストで1回トップをとったからって(ここで勝つのが)そんな簡単じゃないということはよく分かっています。気を抜かずに頑張っていきたいと思います」

大祐と名門NAKAJIMAの躍進があれば、今季一層の盛り上がりにもつながるだろう。期待したいところだ。

2番手タイムは小林可夢偉(#8 Team LeMans/トヨタ)で、大祐とは0.022秒差の1分36秒728。3位は石浦宏明(#1 CERUMO・INGING/トヨタ)、4位はA.ロッテラー(#36 TOM'S/トヨタ)。5位の野尻智紀(#40 DANDELION/ホンダ)までが1分36秒台だった。野尻の僚友で昨季GP2王者のS.バンドーン(#41)は1分37秒322で10番手。なお、大半のドライバーがこの日(最終日)午後に4日間の総合ベストタイムをマークしている。

SFの第2回公式合同テストは3月31日~4月1日、岡山国際サーキットでの開催。そしてその後、4月23~24日の「2016 NGKスパークプラグ鈴鹿2&4レース」でシーズンの幕が上がる。

《遠藤俊幸》

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