災害による鉄道運休、震災前の被災区間が全て解消…3月末

鉄道 企業動向
3月末時点の長期運休区間。現在運休中の路線のうち最も長く運休しているのは、東日本大震災で被災した路線になった。
3月末時点の長期運休区間。現在運休中の路線のうち最も長く運休しているのは、東日本大震災で被災した路線になった。 全 4 枚 拡大写真

災害による鉄道路線の長期運休区間は、3月末時点で計444.9kmだった。2月末時点に比べ17.7kmの減少。前年度末(2015年3月末)との比較では、2.6kmの微増となっている。

3月26日に三重県の名松線が全線再開したことにより、東日本大震災より前の運休路線は全て解消。震災による運休区間も、3月中に全て何らかのめどが示された。

大船渡線と気仙沼線の運休区間は鉄道を正式に廃止し、バス高速輸送システム(BRT)を継続運行する方向で沿線自治体と合意。常磐線は、原発事故による帰還困難区域を通る区間も含め、再開時期が示された。

■JR北海道 留萌本線 留萌~増毛(北海道) 16.7km
気温上昇による雪崩の恐れがあるため、2月12日から運休中。バス・タクシーによる代行輸送が行われている。雪崩の恐れが解消されてから再開する予定。

■JR北海道 日高本線 鵡川~様似(北海道) 116.0km
2015年1月の低気圧による高波と同年9月の台風17号の影響で運休中。バスによる代行輸送が行われている。再開のめどはたっていない。

■JR東日本 山田線 上米内~川内(岩手県) 51.6km
2015年12月の土砂流入で運休中。岩手県北バスの都市間バス『106急行』への振替輸送が行われている。復旧計画策定・工事は3月以降になる見通しで、再開時期のめどはたっていない。運休区間内にある冬季休止駅の大志田・浅岸両駅は、3月26日のダイヤ改正にあわせて廃止された。

■JR東日本 山田線 宮古~釜石(岩手県) 55.4km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。岩手県北バス・岩手県交通の路線バスによる振替輸送が行われている。三陸鉄道が運行を引き継ぐことを条件に、2018年度末の再開に向けて復旧工事が進められている。

■JR東日本 大船渡線 気仙沼~盛(宮城県・岩手県) 43.7km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。暫定復旧策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を走る代行バスが運行されている。JR東日本と沿線自治体は、BRTを「本格復旧」と位置づけて継続運行する方向で合意し、鉄道の廃止が決まった。

■JR東日本 気仙沼線 柳津~気仙沼(宮城県) 55.3km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。暫定復旧策としてBRTを導入し、線路敷地の一部を活用したバス専用道を走る代行バスが運行されている。JR東日本はBRTを「本格復旧」と位置づけて継続運行することを提案し、沿線の南三陸町・登米市と合意。残る気仙沼市とも3月に合意しており、鉄道の廃止が決まった。

■JR東日本 常磐線 竜田~原ノ町(福島県) 46.0km
2011年3月に発生した東日本大震災と福島第一原子力発電所事故の影響で運休中。2015年1月から代行バスの運行が始まったが、途中駅は全て通過している。

JR東日本は3月、全線再開に向けたスケジュールを発表。まず今春に小高~原ノ町間を再開し、続いて浪江~小高間を2017年春、竜田~富岡間を2017年内に再開する。福島第一原子力発電所事故による帰還困難区域を通る富岡~浪江間は、除染や復旧工事の課題解決の見通しが立ったとし、2019年度末までの再開を目指す。

■JR東日本 常磐線 相馬~浜吉田(福島県・宮城県) 22.6km
2011年3月に発生した東日本大震災の影響で運休中。ルートを内陸側に移設する工事が進められている。バスによる代行輸送は不通区間より広い相馬~亘理間で行われている。今年12月末までに再開する予定。

■JR東日本 只見線 会津川口~只見(福島県) 27.6km
2011年7月の豪雨で影響で運休中。バスによる代行輸送が行われている。再開のめどはたっていない。

■大井川鐵道 井川線 接岨峡温泉~井川(静岡県) 10.0km
2014年9月の大雨で発生した土砂崩れの影響で運休中。代行輸送は行われていない。11月頃に再開する模様。

◎再開:JR東海 名松線 家城~伊勢奥津(三重県) 17.7km
2009年10月の台風18号の影響で運休。もともと利用者が少なかったこともあり、JR東海は同区間の廃止を表明したが、沿線自治体が線路周辺の治山治水対策を行うことを条件に再開する方針に転換し、今年3月26日のダイヤ改正にあわせて再開した。

《草町義和》

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