船橋港で見る南極観測船「しらせ」、氷を砕く知恵とドラマと推進力[フォトレポート]

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南極観測船「しらせ」の操舵室。3つのスクリューの出力を操作する3本のスロットルレバーが中央にある
南極観測船「しらせ」の操舵室。3つのスクリューの出力を操作する3本のスロットルレバーが中央にある 全 48 枚 拡大写真

千葉・船橋港で始まった「SHIRASE5002ツアー&サッポロビール千葉工場・黒ラベルツアー」(毎週木・日曜)では、南極観測船「しらせ」の甲板や操舵室、食堂、医務室、寝室などをめぐりながら、船のエピソードや独自機能などを体感できる(写真48枚)。

【画像全48枚】

日本鋼管鶴見造船所(現ユニバーサル造船)で建造された「しらせ」は、初代「宗谷」(1956-1962年、第1-6次)、2代目「ふじ」(1965-1983、7-24)に次ぐ、3代目(1983-2008、25-49)。現在は4代目の「新しらせ」が2009年(第51次)から活躍している。

南極渡航25回中24回、昭和基地・オングル島の接岸に成功。唯一接岸できなかったのは、第35次。着岸地点の40km手前で、厚さ4.5mの海氷に行く手を阻まれた。接岸率は96%で「宗谷が6回中ゼロ、ふじが18回中6回と、これまでの船のなかでも極めて優秀な船」という。

3万馬力を発揮する推進力は、2台のモーターを直列につなぎ、3軸のスクリューを回すことで得られる。モーターを回す電力は、6台のディーゼルエンジンで発電される。ディーゼル電気方式という組み合わせだ。

氷を砕いてすすむ航行方法にも特徴がある。「しらせ」は、1.5m以上の海氷の場合、いったん200-300m後退し、最高出力で突進して砕き割る。横幅28mもあるブリッジには、この3軸のスクリューの出力を調整する3本のスロットルレバーに触れることができる。

2001年の航海で「しらせ」は、暴風域を通過中に左53度、右41度、船体が傾いた。こうした揺れ対策はいたるところに施されている。たとえば食堂。隊員たちが食事をとるテーブルは、船体が傾いたときに転がらないように床に据え付けられ、椅子はそのテーブルにホールドできる。

また、この「しらせ」には、ヒーリングタンクと呼ばれる補助装置がある。これは、海氷に封じ込められて航行困難となったさい、タンク内にある燃料を左右に移動させ、船体を5度揺らすことができる。この揺れで周囲の氷を崩し、ロック状態の船を脱出させる。

もともと海上自衛隊の自衛艦で、「アラートオレンジ」が塗られている。この色は、航空機に塗られる「ディグロ」(蛍光オレンジ)と呼ばれるカラーを参考に、1955年に生み出された。5002という数字は、自衛艦の命名基準で砕氷艦が5000番台と決められたことから、「ふじ」が5001、しらせが5002とつけられた。

この「SHIRASE5002ツアー&サッポロビール千葉工場・黒ラベルツアー」は、毎週木・日曜、11時からと15時からの2回開催。所要は2時間半。参加料は大人1300円、中学生以上600円、小学生以下無料。船内見学のあとは、ビールができあがるまでを学べる工場見学ツアーへと移り、「黒ラベル」をはじめとする生ビールを試飲する時間もある。

《レスポンス編集部》

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