石井啓一国土交通相は2日夕方の会見で、スズキに対して道路運送車両法に基づく立入検査を実施することを明らかにした。3日午前に静岡県浜松市の本社に対して実施される。燃費データ不正問題で同社に検査が入るのは初めて。
今回の検査では、スズキが独自に行った燃費の再計測結果を中心に、担当者をはじめとする関係者からの聞き取りや、その裏付けとなる資料の提出を求めて内容の確認作業を行う。経営陣への聴取が含まれているかどうかは明らかにしていない。
また、石井氏はスズキに対して、再度の報告を求めた。
「責任を明確にするとともに、再発防止策の具体的なスケジュールを示すよう指示した」
31日の報告書の中には、再発防止策は書かれていたが、その内容をいつまでに実現するかや、不正の責任についての言及はなかったという。
燃費算出で審査機関に提出する走行抵抗値のデータの不正は、現行生産車13車種をはじめとする26車種に及んだ。
「不正があったという認識を明確に示しているが、自動車審査制度を揺るがす行為。改めて猛省を促したい。速やかに全容を把握し、適切に対処したい」と、石井氏は述べた。