【プジョー 308 ディーゼル 試乗】やっかいな音も魅力に変えるラテンの粋…岩貞るみこ

試乗記 輸入車
プジョー 308 アリュールBlueHDi
プジョー 308 アリュールBlueHDi 全 12 枚 拡大写真

フランス、イタリア、スペインといったラテンの国々はディーゼル比率が高い。車両本体価格が多少高くとも、走行距離×車両保有年数に、軽油価格の安さをさらに掛け算すれば、だんぜん安いということになるからだ。

【画像全12枚】

けれど、ディーゼルのよさは安さだけではない。トルク感である。ラテンの性格丸出しで日々、闘いのように走り回るにはこのトルク特性は必需品なのだろう。

ラテンの人気者ディーゼル。しかし、ずっと日本に導入されなかったディーゼル。日本での排ガス基準とか、販売戦略とかいろいろあるのがわかっていても、欧州での当たり前に、なぜ日本では乗れないのかとじりじりしていたラテン系ファンには、お待ちかねのプジョー+ディーゼルだろう。

女の人は音に厳しいらしい。確かにそうだと思う。でも、厳しいのは音の大小ではなく、音質と、ここでこの音出す?と突っ込みたくなる空気の読めないタイミングの悪さだ。ゆえに、逆をいえばそこだけ押さえれば音なんていくらでも受け入れられる。ディーゼル・エンジンのガラガラ音。この『308』とていくら贔屓目にみても、するものはする。

けれど「音がする」と認識するのは、クルマが止まっているときだけだ。つまりこれは、アイドリング・ストップ機能があればクリアできる。今回試乗した日は夏日で、エアコンはかなり強めに設定していたものの、赤信号のタイミングで止まっているときはほぼ毎回、エンジンは止まった状態でがんばってくれた。「ひえー、これ以上はもうだめです、バッテリーがやばくなるので、エンジンかけさせてください」という弱音を吐かなかったのだ。

そしてブレーキから足をはなしたとたん、再始動するエンジンのスムーズさといったら。しゅたたたっ!と元気よく、かかりました自己主張するエンジンが多いなか、このエンジンは実にしなやかに、そっとかかる。この奥ゆかしさには惚れ惚れする。この一連の流れだけでも、音はまったく気にならない範囲に抑えられている。

エンジン音は時として、気持ちを高揚させるものだということも知っているプジョーは、スポーツモードへと切り替えると、走りが変わると同時にエンジン音までオーディオを使って増幅させるという手に出ている。ディーゼル音はガラガラ音から、耳に心地よいコロコロとした音へと変わる。音は使いよう。やっかいものを逆に魅力のある商品価値へとつなげる粋なはからいは、やはりラテンなフレンチの魅力なのである。

■5つ星評価
パッケージング:★★★★
インテリア/居住性:★★★★
パワーソース:★★★★★
フットワーク:★★★★
オススメ度:★★★★

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家
イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。主にコンパクトカーを中心に取材するほか、最近は ノンフィクション作家として子供たちに命の尊さを伝える活動を行っている。レスポンスでは、アラフィー女性ユーザー視点でのインプレを執筆。

《岩貞るみこ》

岩貞るみこ

岩貞るみこ|モータージャーナリスト/作家 イタリア在住経験があり、グローバルなユーザー視点から行政に対し積極的に発言を行っている。レスポンスでは、女性ユーザーの本音で語るインプレを執筆するほか、コラム『岩貞るみこの人道車医』を連載中。著書に「未来のクルマができるまで 世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI」「ハチ公物語」「命をつなげ!ドクターヘリ」ほか多数。2024年6月に最新刊「こちら、沖縄美ら海水族館 動物健康管理室。」を上梓(すべて講談社)。

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