応募倍率約9倍、まるで本物の記者…首都高に潜入「キッズプレス」に密着

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首都高速道路主催「キッズプレス~首都高の裏側を取材しよう!~」 交通管制室で記念撮影 <撮影:稲葉九>
首都高速道路主催「キッズプレス~首都高の裏側を取材しよう!~」 交通管制室で記念撮影 <撮影:稲葉九> 全 28 枚 拡大写真

 「モニター、大きいな」「こんなところがあったんだ」――普段は見ることのできない施設や設備の連続に、小学5・6年生が声をあげる。8月19日に行われた、首都高速道路(以下、首都高)主催「子ども未来プロジェクト」の一場面だ。

応募倍率約9倍、首都高の裏側をめぐる1日記者体験

 首都高は、首都高を身近に感じる体験の提供を通じて、子どもたちが社会の仕組みを学び、職業観を広げる手伝いをする社会貢献活動「首都高子ども未来プロジェクト」を実施している。今年度は「キッズプレス ~首都高の裏側を取材しよう!~」をテーマに、参加者の子どもたちに1日取材記者・カメラマンになりきってもらい、首都高の施設や社員を取材しながら見学するイベントを8月19日に開催した。

 募集定員は親子20組40名なのに対し、応募総数は185組という人気の高さ。首都高速道路CS推進部部長の増根泰氏は、開催にあたり集まった親子らに「夏休みの貴重な時間、数あるイベントの中から本日のイベントを選んでくれて誠にありがとうございます」と感謝を述べ、首都高の裏側を十分に楽しんで取材してほしいと呼びかけた。

 抽選により選ばれた親子らは、取材や撮影のコツをプロの記者とカメラマンから教わったのち、首都高スタッフに導かれ首都高東京西局の交通管制室や日本道路交通情報センター(JARTIC)、レインボーブリッジの芝浦アンカレイジや代々木パーキングエリアを見学。子どもたちはみな、イベントロゴの入った限定メモ帳や筆記用具、カメラを巧みに操り、どの施設でも真剣な面持ちで取材にあたっていた。

東京西局から芝浦アンカレイジ、代々木パーキングエリアへ

 首都高スタッフの説明後、積極的にスタッフに質問に行く子どもの姿はまさに記者の「独占取材」や「単独質問」の姿そのもの。

 交通状況を把握し、首都高の動きを365日24時間常時監視している交通管制室で縦3.7メートル、横17メートルの巨大スクリーンを目にすると、子どもたちは交通管理課課長の麻生和裕氏より全体説明を受けたあと「もうちょっと前で見たい」「(スクリーンは)どのくらいの幅がありますか」など、臆することなく追加質問を実施。一生懸命に情報を取得しようとする意気込みが垣間見えた。東京西局の駐車場に勢ぞろいした「黄パト」「黄バイ」「ホメパト」の見学では、緊張しながらも「これは1台いくらするのですか」と、子どもならではの純粋な視点からコメント取りを行うようすもあった。

 午後からは、大型バスに乗って、芝浦と台場を結ぶレインボーブリッジのメインケーブルを固定する芝浦アンカレイジへ移動。バス車内でも車窓から見える景色の撮影に余念がなく、アンカレイジ内で行われた首都高スタッフによるミニ講義中にも、取材の筆が休まることはなかった。ひと言も漏らし聞くまいとする姿勢には、取材に同行したプロカメラマンもたじたじ。「プレス発表会につめかけている本物の記者を見ているみたい(笑)」と、驚きの声を発していた。

子ども新聞で取材成果を報告

 芝浦アンカレイジ後は、再びバスに乗り代々木パーキングエリアで一休み。当日都内は、気温31度を超す真夏日。「レストランよよぎの森」で振舞われた代々木パーキングエリア名物の「はちみつソフトクリーム」「生乳ソフトクリーム」に舌鼓を打った。「首都高内にこんな綺麗な施設があったとは知りませんでした」とは、参加保護者。同じ取材行程とはいえ、親子で異なる気づきもあったようだ。

 代々木パーキングエリアでの休憩後には、イベントの集大成ともいえる子ども新聞を作成するため、一路「御茶ノ水ソラシティ」へ。途中のバス移動も含む約6時間の長時間取材だったが、子ども記者らはみな、取材内容を報じる記事を無事に校了させた。

 ニュースキュレーションアプリでイベント情報を目にして応募したという1組の親子は、「面白そうだなと思って応募してみた」とコメント。なかには「(子どもが)夏休みの読書感想文が苦手なので、文章を書く力をつけさせるために応募してみた」という声もあった。

「また行きたい」 親しみやすい首都高へ

 首都高の施設見学イベントに子ども記者体験を組み込んだイベントの開催は、これが初めてのこと。子どもたちは、疲労感と充実感の入り混じった表情ながら、「何も思わず通りすぎていた首都高を、もう少しよく見てみようと思った」「撮影が好きになった」「司会のお兄さんがバスガイドをしてくれたのが良かった」「芝浦アンカレイジにまた行きたい」など、感想を語る。首都高速道路CS推進部部長の増根泰氏は、「首都高と聞くと少し堅いイメージを持たれるかもしれないが、今後もこういった子ども向けイベントを開催し、首都高へのイメージの垣根を低く、親しみやすくしていけたら」と、次期開催への意気込みを明かした。

 参加した子どもたちは、4年後には中高生。2020年の東京オリンピック・パラリンピック時に、選手移動や物資輸送など、交通の大動脈となっている首都高を見て一体何を思い出すだろうか。この日の体験が、子どもたちの洞察力や表現力の向上、ひいては将来のなりたい職業を考えるうえで有意義な体験となっていることを願ってやまない。

《佐藤亜希》

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