【SUPER GT 第7戦】関口&国本の坂東組RC FがGT500を制す…新人牧野2位、脇阪監督組3位

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
#19 RC Fはポール・トゥ・ウインを飾る。
#19 RC Fはポール・トゥ・ウインを飾る。 全 12 枚 拡大写真

SUPER GT第7戦の決勝レースが9日、タイのチャン国際サーキットで実施され、GT500クラスは関口雄飛&国本雄資の“坂東組”レクサスRC Fがポール・トゥ・ウインを飾った。2位は今回がGT500デビューの牧野任祐らが乗るNSX、3位は脇阪寿一が監督を務めるチームルマンのRC F。

予選日よりはタイらしい暑さが増し、路温は概ね40度台の推移となった決勝日のチャン。ポール発進の#19 WedsSport ADVAN RC F(関口雄飛&国本雄資/タイヤはヨコハマ=YH)は、ほぼ盤石といっていい内容でチェッカーまでの行程を走り抜けた。

唯一、危なかったのはレース中盤、66周のほぼ中間にあたる頃合いで左リヤのタイヤにトラブルが発生した局面だった。だが、流れがある時というのは、そういったことも致命傷には至らないもの。それほど長い距離をパンク状態で走ることなく、関口はルーティンのピットストップへと逃げ込むことができた。マシンに大きな損傷も及ばず、順調に国本へとバトンタッチ、事なきを得たのである。

終盤、2位との差が縮まりはしたが、これは#19 RC F側がきっちりペースコントロールした影響が大きいだろう。幸運も含みつつとはいえ、予選から完勝といえる内容でのポール・トゥ・ウインだった。国本にとっては3年ぶりのGT500通算2勝目、関口はGT500初優勝。

そして#19 RC Fを走らせる“坂東組”、LEXUS TEAM WedsSport BANDOHにとっては、悲願のGT500クラス初優勝となった。チームを率いる坂東正敬(まさたか)監督は、現在はSUPER GTのシリーズ運営団体GTAの代表を務める坂東正明さん=“坂東親分”の息子さんであり、父からチームを引き継いだ人物なのだ。

チェッカー後には坂東GTA代表が坂東監督を祝福する感動の場面も展開された。プライベーターとして戦う坂東組にとって、この勝利は至上の価値を有すると言っても過言ではない。

関口雄飛のコメント
「スタートしてから5周くらいしたら、2位のマシンが離れていったので、『自分のペースが一番速い』と確信しました。自分の走行の最後でバーストしてしまいましたが、コースの後半だったのでロスを抑えることができましたね。国本選手とのコンビでの初表彰台が初優勝となりました。本当に良かったです」

国本雄資のコメント
「今週は走り始めからマシンの調子も良くて、セッティングを変えたら変えたなりの反応をしてくれました。今日は(後続が離れても)タイヤマネージメントだけは怠らずに走りました。結果的にはギャップをすべて使い切ることになりましたけどね。チームの初優勝に立ちあうことができて嬉しいです」

ヨコハマタイヤは今季2勝目。激しいタイヤ戦争が続くGT500クラスはミシュラン、ブリヂストン、ヨコハマが今季2勝ずつとなっている。

2位には今回がGT500デビュー戦の19歳、牧野任祐が乗る#15 ドラゴ モデューロ NSX CONCEPT-GT(武藤英紀&牧野/ブリヂストン=BS)が入ってホンダ勢最上位。3位は今季から脇阪寿一が監督を務めているチームルマンの#6 WAKO'S 4CR RC F(大嶋和也&A.カルダレッリ/BS)で、4位に日産勢最上位の#12 カルソニック IMPUL GT-R(安田裕信&J-P.デ.オリベイラ/BS)。#12 GT-Rはピット作業時の違反によるドライブスルーペナルティが痛かった。

5~6位はNSXで、#64 Epson NSX CONCEPT-GT(中嶋大祐&B.バゲット/ダンロップ=DL)、#17 KEIHIN NSX CONCEPT-GT(塚越広大&小暮卓史/BS)の順。

一方、レース終盤にはチャンピオン争いの動向を大きく左右する出来事も生じている。

上限100kgハンデを背負って入賞圏の9位を走っていたポイントリーダーの#1 MOTUL AUTECH GT-R(松田次生&R.クインタレッリ/ミシュラン=MI)が、GT300クラスのマシンと交錯。これが後続の数台にも影響を及ぼす多重アクシデントに発展し、#1 GT-Rだけでなく、ポイント2番手だった#38 ZENT CERUMO RC F(立川祐路&石浦宏明/BS)までもが巻き込まれるような格好でリタイアとなってしまったのだ(#1は14位、#38は15位で完走扱い)。

この結果、GT500のドライバーズタイトル争いは#1 GT-Rが56点でトップ変わらずも、ランク2位には#6 RC Fが上がって10ポイント差の46点、さらに1点差の45点に#38 RC Fと#39 DENSO KOBELCO SARD RC F(H.コバライネン&平手晃平/BS)が並ぶ状況で、最終もてぎ連戦に向かうこととなった(手元計算)。

いよいよ残すは最終章、11月に栃木県のツインリンクもてぎで開催される第3&8戦の“ダブルヘッダー”である(第3戦は地震の影響で中止された九州大会の代替)。

今回までは獲得総ポイント×2kgだったウエイトハンデが、第3戦は×1kgになり、第8戦はノーハンデに。3連覇を目指して逃げ込みを図る#1 GT-Rに対し、ランク2位以降に並ぶ格好となったレクサス勢がどういう包囲陣を敷くのかを含め、熾烈な戦いが予想されるところだ。観る側にとって最高に面白い展開となること必至の最終もてぎ連戦は、11月11~13日に開催される。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 【BYD シーライオン7 新型試乗】全幅1925mmの堂々サイズも「心配無用」、快適性はまさに至れり尽くせり…島崎七生人
  5. 「三菱っぽくないけどカッコいい」ルノーの兄弟車となる『エクリプス クロス』次期型デザインに反響
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る