【WEC 第7戦富士】可夢偉トップチェッカー、大接戦の末にトヨタが母国で今季初優勝

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優勝した#6 トヨタの(左から)サラザン、可夢偉、コンウェイ。
優勝した#6 トヨタの(左から)サラザン、可夢偉、コンウェイ。 全 8 枚 拡大写真

世界耐久選手権(WEC)第7戦は16日、富士スピードウェイで決勝6時間レースを行ない、最後まで続いたLMP1-Hクラスの僅差接戦を制して小林可夢偉組の#6 トヨタTS050が優勝。トヨタにとっては今季WEC初勝利となった。2位は#8 アウディR18、3位は#1 ポルシェ919。

晴天のもと、フルコースイエローやセーフティカー導入といった大きなアクシデントがないまま進んだ富士6時間レース。LMP1-Hクラスの3メーカーによるバトルは最後の土壇場まで激闘継続となった。

200周を過ぎてもトップ3は10秒圏内での攻防を展開。首位#8 アウディ、2番手#6 トヨタ、3番手#1 ポルシェという状況で、残り50分過ぎから6回目のルーティンピットストップが始まった。#8 アウディにはレース中盤の段階ではピット7回の可能性も感じられるところがあったが、やはりキッチリと6回でこなせるようにレース後半を進めてきていた。

そして、この最終ピットストップに勝負をかけたのが#6 トヨタである。#8 アウディと#1 ポルシェがタイヤ交換したのに対し、#6 トヨタはここをタイヤ無交換とした。ピットでのロスタイムは#8より25秒、#1より18秒ほど短く済み、3台のピットがすべて終わった時点で#6 トヨタが先頭に躍り出る。

最終スティントのドライバーは#6 トヨタが小林可夢偉、#8 アウディがL. デュバル、#1 ポルシェがM. ウェーバー。いずれ世界的に名を知られたトップドライバーによるファイナルバトルの幕が上がった。

タイヤ的に辛い首位の可夢偉を、2番手デュバルが追い詰める。最終スティントの当初は13~14秒あった差が、最終盤には1秒を切るところまで縮まった。しかし可夢偉は懸命の逃げを見せてデュバルを振り切り、トヨタにとって今季初、約2年ぶりとなるWEC勝利を掴み取った。

#6 トヨタ 小林可夢偉のコメント
「僕だけでなく(トヨタの)みんなが勝ちたいレースだったので、そこに貢献できて嬉しいです。ここで勝てなかった今シーズンどこで勝つ、という感じでもあったので、まずここで勝てたことも良かったですね。最後(の2スティント)に自分が行かされたのは、それだけ期待されていたということでもあるでしょうから、そこでしっかり仕事ができたのも良かったと思います」

トヨタのWECでの勝利は14年の第7戦バーレーン以来。富士戦に関しては12~14年を3連覇して以来で、5戦4勝とした。一方、アウディの富士戦初勝利を目指して猛追を演じたのは日本に馴染みの深いデュバルだったが、あと一歩およばず2位に甘んじている。

LMP1-Hクラス完走車の順位(=今大会総合上位)は以下の通り。

■WEC第7戦富士 最終結果(LMP1-H)
優勝 #6 トヨタ(S. サラザン & M.コンウェイ & 小林可夢偉)244周
2位 #8 アウディ(L. ディ・グラッシ & L. デュバル & O. ジャービス)+1.439秒
3位 #1 ポルシェ(T. ベルンハルト & M. ウェーバー & B. ハートレー)+17.339秒
4位 #5 トヨタ(A. デビッドソン & S. ブエミ & 中嶋一貴)+53.779秒
5位 #2 ポルシェ(R. デュマ & N. ジャニ & M.リーブ)243周
*タイム差は首位との差/上記結果と内容はレース直後の暫定結果に基づく

今季WECは残り2戦。11月6日決勝の第8戦上海と同19日決勝の第9戦バーレーンで終幕するが、トヨタの母国戦勝利でLMP1-H戦線がさらに活気づくことになってきた、そんな富士ラウンドであった。

《遠藤俊幸》

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