WECとルマン24時間、今季エントリーを発表…2017年はポルシェ対トヨタのシーズン

モータースポーツ/エンタメ モータースポーツ
ポルシェが1月に実施したテストの模様。新加入のロッテラーも参加した。
ポルシェが1月に実施したテストの模様。新加入のロッテラーも参加した。 全 6 枚 拡大写真

2日、WEC(世界耐久選手権)の年間エントリーリストとルマン24時間レース(WEC第3戦)のエントリーリストが発表された。最高峰LMP1-Hクラスはポルシェ対トヨタの一騎打ちのシーズン。未定だったトヨタ勢の車番が#7~#9に決まっている(ポルシェは#1~#2)。

発表された各クラスのエントリー台数は以下の通り。

LMP1:WEC通年5台/ルマン6台
(上記のうちLMP1-H:WEC通年4台/ルマン5台)
LMP2:WEC通年10台/ルマン25台
LMGTE-Pro:WEC通年8台/ルマン13台
LMGTE-Am:WEC通年5台/ルマン16台

WEC通年エントリーは総計28台。また、ルマンに関してはLMP2とLMGTE-Amの補欠マシンが各1台登録されている。

全体傾向としては、自動車メーカーが本気で競うLMP1-HやLMGTE-Proよりも、プライベーター中心のLMP2やLMGTE-Amの方がルマンにおける台数増の幅が大きい。諸条件を考えれば当たり前の話ではあるが、激増ともいえる状況で、ルマンという一戦がいかにスペシャルであるかを物語っていよう。

もちろんルマンが特別であることはメーカーにとっても同じ。今年はトヨタが初制覇を目指し、3台目のマシンを投入することも決まっている(既報:前哨戦となるWEC第2戦スパ・フラコルシャンも3台体制で参戦)。

そのトヨタ勢の車番は2日に日本で開催されたTOYOTA GAZOO Racingのプレスカンファレンスでは未定となっていたが、このエントリー発表で#7~#9に決定した。ポルシェ勢を含めたLMP1-Hクラスのエントリーをまとめると以下のようになる。

■2017年 LMP1-Hクラスのエントリー
#1 ポルシェ919 Hybrid(N. ジャニ & A. ロッテラー & N. タンディ)
#2 ポルシェ919 Hybrid(T. ベルンハルト & B. ハートレー & E. バンバー)
#7 トヨタTS050 Hybrid(M. コンウェイ & 小林可夢偉 & J-M. ロペス)
#8 トヨタTS050 Hybrid(S. ブエミ & A. デビッドソン & 中嶋一貴)
#9 トヨタTS050 Hybrid(S. サラザン & 未定 & 未定)
(※ #9 トヨタはWEC第2戦スパと第3戦ルマンのみ参戦予定、他の4台は通年エントリー。タイヤは5台ともミシュラン)

ルマンでは3対2の形勢で王者ポルシェに挑むことになったトヨタ。アウディの撤退もあったため、悲願の初制覇達成への確率は必然的に高まっている。これで“単純確率”は60%だ。

ハイブリッドでないLMP1はWEC通年もルマンも1台のみ。ニスモ・エンジンを積むバイコレス・レーシングチーム(#4)の単騎参戦だが、ドライバーには元F1ドライバーで、最近はラリーを主戦場にしていたロバート・クビカの名が見られる。

そして、もうひとつのメーカーウォーズであるLMGTE-Proは、フェラーリ、フォード、ポルシェ、アストンマーティンが各2台の参戦でWECタイトルを争う。ルマンではシボレーが2台登場し、フォードが4台、フェラーリが3台に増える計算だ。激戦度はこちらの方がLMP1-H戦線より上になるかもしれない。

今季のWECは4月1~2日にイタリアのモンツァでプロローグテストが実施され、約2週間後の英国シルバーストン戦から実戦スタート。両陣営は今季仕様マシンをプロローグ前日の3月31日に公開する予定とされる。それまでまだ少し時間はあるが、もちろん開発は常に進行中。ポルシェとトヨタの頂上決戦のシーズンは既に動き始めている。

《遠藤俊幸》

【注目の記事】[PR]

ピックアップ

教えて!はじめてEV

アクセスランキング

  1. 伝説のACコブラが復活、「GTロードスター」量産開始
  2. トヨタ『ランドクルーザー300』初のハイブリッド登場!実現した「新時代のオフロード性能」とは
  3. ようやくですか! 新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』日本仕様初公開へ…土曜ニュースランキング
  4. 朝までこの恐怖に耐えられるか?…三和交通タクシーでいく心霊スポットツアー2025【夏休み】
  5. シートに座ると自動で送風開始、取り付け簡単「クールカーシート」2モデルが発売
ランキングをもっと見る

ブックマークランキング

  1. 低速の自動運転遠隔サポートシステム、日本主導で国際規格が世界初制定
  2. 独自工会、EV減速でPHEVに着目、CNモビリティ実現へ10項目計画発表
  3. 三菱が次世代SUVを初公開、『DSTコンセプト』市販版は年内デビューへ
  4. 「やっと日本仕様が見れるのか」新世代ワーゲンバス『ID. Buzz』ついに上陸! 気になるのはサイズ?価格?
  5. 米国EV市場の課題と消費者意識、充電インフラが最大の懸念…J.D.パワー調査
ランキングをもっと見る