ホンダと日立オートモティブシステムズは2月7日、都内のホテルで電気自動車などに使うモーターの合弁会社設立について共同記者会見を開いた。そのなかで、ホンダの八郷隆弘社長は「合弁会社で世界一のモーターができれば、世界一の電動車ができる」と強調した。
ホンダは現在、ハイブリッド車などに使うモーターを自前で開発、生産している。しかし、車の電動化が急速に進むなか、自前主義にこだわっていては取り残されてしまうという危機感を持っていた。というのも、研究開発費はもちろんのこと、開発スタッフが不足しているからだ。
そこで今回、モーターの開発について歴史があり、知見もたくさん持っている日立オートモティブシステムズと一緒にやろうと考えたわけだ。なにしろ同社の親会社は日立製作所で、1910年にモーターの開発から出発した会社だ。
「これからは自動車メーカー1社で車をつくり上げるというより、できるだけ競争力のあるものを集めて、その中でどうやって1台にまとめていくかということが重要だと思う」と八郷社長は話す。
考えてみれば、自動車は約8割の部品を外部から買って組み立てている。その部品が1つ増えてもたいしたことではないと割り切ったわけだ。そして、ホンダは車の味付けに力を注ぎ、世界一の電動車を目指す。
八郷社長は自社製モーターについて「継続して開発生産していく」と語っているが、合弁会社で新モーターが開発されるのを機に生産からは撤退し、ホンダは知見を得るための研究開発だけに止めることになりそうだ。