マツダ車が雪道にも強い理由とは…新型 CX-5 で体感

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マツダ車が雪道にも強い理由とは…新型 CX-5 で体感
マツダ車が雪道にも強い理由とは…新型 CX-5 で体感 全 20 枚 拡大写真

北海道にあるマツダ「剣淵試験場」での雪上試乗会。レポート前編では、マツダのクルマ作りの根幹にある「人間中心」という考え方について体感した。この他のワークショップでは新型『アクセラ』から搭載されたマツダの新技術である「G-ベクタリングコントロール(GVC)の体感と「i-ACTIV AWD」についての説明、そして新型『CX-5』(この段階ではプロトタイプ)の試乗が行われた。

「走る歓び」目指す人間中心のクルマ作り

GVCに関しては書き始めればいくらページがあっても足りない位の内容なので、ここではサクッと説明する程度に抑えるが、ステアリング操作に連動して駆動トルクを制御することで接地加重をコントロール、スムーズな走りを実現する技術だ。

このGVCというのが良い意味でなかなかの曲者、何しろアクセラに最初に搭載された時に普通にスムーズだったので逆に「GVCは素晴らしい!」とは手放しで褒められなかった自分がいた。ただ個人的な感覚ではGVCはアンジュレーションの多い路面などでは操舵のし易さを感じており、特別なデバイスを使わずに操安性が高められる点ではかなりレベルの高い“発明”だと思っている。

マツダもその辺は十分理解しているわけで、今回はGVCのオン/オフができる車両を特別に用意した。クローズドの試験場だからこそ出来たステージなのかもしれないが、結論を言うと「効果はある」。それもかなり凄い…。逆に言うと自分の運転技量ではこれまでその実力を理解できなかったことを恥じるとともに、あくまでも自然なフィーリングで作動していたことに驚いたほどだ。

コーナリングはもちろんだが、轍のような路面をまっすぐ走った時でもオンならば何の心配もなく走れてしまうのにこれをオフにするとどうもしっくりこない。言い換えれば中立時に路面からの影響により左右に細かくステアリングが振れる。常に気を配りながら修正舵を入れることは意外とストレスだ。また後席に乗せてもらうとコーナリング時の身体の振られ方の少なくなることは誰でもわかるレベルである。

ただ今回はGVCの効果を体感するための特別なステージで、市販モデルには当然オフスイッチは付いていないし、そもそもその差というものを比較したいなら改良前の車両を持ってこないとわからない。ただこれに関してはデフォルトでオンは当然、「走る歓び」を目指す人間中心のクルマ作りというブレの無い考えはこういう部分にもいかんなく発揮されている。

気づかないことは恥だが役に立つ

最後にCX-5のFFとAWD車に試乗したが、前述のGVCの効果もあるのだろう、FF車にスタッドレスタイヤを装着した状態でもかなりスムーズに走れたので「まあ状況にもよるけどこれで十分じゃないか」と思ったほどだ。しかし、これがAWD車になるとハンドリングの正確さはもちろん、確実な駆動力を路面に伝えることができるし、何よりも安定性は数段高くなる。

この「i-ACTIV AWD」もこの数年間でかなり進化している。低抵抗ユニットや低粘度オイルの採用、このCX-5ではさらに新しくボールベアリングをユニットに採用することでエネルギー損失を2012年時に比べ半減させているという。マツダとしてはエネルギー損失を徹底的に低減することで最終目標として「2WDの燃費を越える」ことを目標としているが燃費はもちろん、先読みのしづらい路面変化にも安全とハンドリングの確かさを高めようという姿勢には好感が持てる。

情けない話だが、座学から始まりCX-5の試乗まですべてが終了した時、マツダが目指す「人間中心のクルマ作り」を一気通貫で体感させようという目論見に気がついた。昨年ブームとなった「逃げ恥」ではないが「気づかないことは恥だが役に立つ」そんな試乗会だった。言い訳だけど。

《高山 正寛》

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