ペダルの踏み間違え、ヒヤリ・ハットに『ペダルの見張り番』---大ヒット商品の舞台裏

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発売以来、大ヒットを続けるペダルの見張り番
発売以来、大ヒットを続けるペダルの見張り番 全 6 枚 拡大写真

カー用品販売大手のオートバックスセブン(東京都江東区、小林喜夫巳代表取締役 社長執行役員)が昨年12月に発売して以来、品薄の状態が続くなどして、自動車のアフターパーツとしては異例の大ヒットとなっている『ペダルの見張り番』。発売からまもなく4ヵ月になるが、ようやく店舗に在庫ができる体制が整ったようだ。

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高齢者の重大事故が社会問題となっている背景もあり、注目されるこの商品だが、一体どんなものなのだろうか?

ペダルの見張り番とは

ペダルの見張り番は、比較的最近のクルマであれば取り付けが可能で、国産車100車種以上に適合する。電気的に車両を制御するので、アクセルが電子化されていれば問題なく取り付けができる。価格は取付工賃込で39,999円(税抜)と、自動ブレーキなどの機能が付いているクルマに買い替えることを考えるとはるかに手頃だといえる。

ペダルの見張り番の機能は2つ。1つは、停止時と徐行時、ブレーキペダルを踏もうとして誤ってアクセルペダルを強く踏み込んでしまった時に、車両側の車速とブレーキ信号を検知し、アクセルペダルを踏み込んだ量を電気的に制御して、誤発進を防止する『オーバーアクセルキャンセラー(OAC)』。こう説明すると難しく感じるが、要するにアクセルとブレーキを踏み間違えた時に、誤発進しなくする機能だ。

もう1つが、アクセルペダルとブレーキペダルが同時に踏まれた場合に、ブレーキ動作が優先される『ブレーキオーバーライドシステム(BOS)』と至ってシンプルだ。制御が掛かった場合にはブザー音で警告もしてくれる。

売れ行き好調の話はきこえてくるものの、上記のような商品概要以外はよくわからないのが実態だ。そこで、時代が生み出したヒット商品の裏側を探るべく、オートバックスセブンIR・広報部に商品開発の経緯について問い合わせをしてみた。

「2015年末ごろになりますが、暴走したクルマがコンビニに突っ込んでしまったり、自走式立体駐車場から落下する事故などが相次いだことがありました。そのほとんどが、ペダルの踏み間違いに起因する事故で、当社の商品部内で、踏み間違いを防止する商品が開発できないか、といくつかの用品メーカーに打診したことがきっかけです」との回答を得た。また、ペダルの見張り番を実際に販売する店舗への取材もさせてくれることになった。

実際の店舗へ

今回、取材に協力してくれたのは、オートバックス『野田梅郷店』。東武アーバンパークライン梅郷駅から徒歩で10分ほど、国道16号線沿いの絶好の立地にある。敷地内には、ガソリンスタンドと、洗車機を備えたセルフ洗車場もある巨大店舗だ。ここは、関東で最もペダルの見張り番が売れるお店。発売以来、月を追うごとに販売個数を増やし、毎月コンスタントに売り上げを伸ばし続ける。

話を聞かせてくれたのは、店長の内藤昭男さん。柔和で人当たりがよく、終始笑顔が印象的だった。そんな内藤さんに編集部の気になるをぶつけてみた。

‐まずは、実際の売れ行きについて

「売れ行きは本当に右肩上がりで、順調に増えています。この地域は、クルマが無いと生活するのが大変なことと年配の方の割合が多いので、発売前からある程度は売れるだろうと思っていました。しかし、フタを開けてみると、予想をはるかに超えた反響で、驚いてしまったというのが正直なところです」

‐予想を超えた要因は?

「報道番組や情報番組で取り上げられたことが一番大きいかなと思います。来店される方のほとんどが、テレビをご覧になっていらっしゃいます。ネットで調べると、オートバックスに行けば置いてあるぞ、ということになってお見えになられるようです。テレビの影響で感心したのが、ペダルの見張り番と一緒にドライブレコーダーの取り付けをご依頼されるお客さまが非常に多いことです。こちらから、ご一緒にいかがですかとオススメする前に、お客さまからお申し付け下さいます。それだけ安全とか安心に対する意識が高まっていることを実感しますね」

‐具体的にどのような人が購入しているのか?

「実際に取り付けたクルマをご使用される方は、今のところ100%年配の方です。若い方がいらっしゃるのは、ご両親のクルマに取り付けを希望される時ですね。意外だったのが、その割合はせいぜい2割程度で、ほとんどの場合、ご本人がご自分で相談にいらっしゃることです。長い間、運転されてきた方々ですから、運転に自信がある方も多いですし、自分は必要ないと思う方が多いのかなと思っていました。当初は、お子さんが心配して持ち込まれるケースの方が、断然、多いのではと思っていました」

‐性別や取り付け車種に特徴はあるか?

「性別は男女半々ぐらいでしょうか。これも意外だったのですが、あまりクルマに興味が無さそうな女性も、ご自分で相談に来られることです。クルマに取り付けるモノというと男性が多そうな感じがしますが、土地柄、女性もみなさん運転されるので、心配だからという声が多いです。もうひとつ、土地柄の特徴としては、取り付けする車種はほとんどが軽自動車です。次に多いのがコンパクトカーで、それより大きいクルマの依頼はありませんね」

‐販売するうえで大変なことは?

「これは、ドライブレコーダーについても同じことが言えるのですが、取り付けはそこまで難しくありません。ただ、ご利用になられるのが、年配の方ということと、安全や安心に直結することなので、使い方や機能の説明に時間がかかります。なかなか、説明書はコチラですというわけにはいきません。いわゆるクルマ好きの方ではないので、説明する用語などもできるだけわかりやすくするのに気を遣いますね」

30分ほどのインタビューだったが、現場の生の声を聞くことで、想像とは違った意外な一面を知ることができた。数字からは読み取れない貴重な内容だ。

ペダルの見張り番、今後の展開

実際の販売現場でも好評で、さらなる拡販が期待されるペダルの見張り番。今後の展開について、再び広報に話を聞いた。

「警察署や自治体と協力して、高齢者講習などの際にペダルの見張り番を体験して頂く予定です。機能面は、細かい改善は必要だと考えていますが、大きく変更する予定はなく、今のところワイヤースロットルを使用しているおクルマの対応については未定です」と説明し、「ドライブレコーダーやカーナビゲーションなどについても、安全運転支援に特化した商品も出ていますし、同様のコンセプトの商品も取り扱っていますので、高齢者に限定することなくPRを続けていきたいと考えています」と続け、安全運転支援全般への取り組みについても意欲を見せた。

自動ブレーキに代表される安全運転支援機構が急激に普及しているが、いま使っているクルマをより安心、安全に乗れるようにすることは、手間やコストを考えると最も現実的な方法のひとつだ。今後、このようなコンセプトの商品が拡大し、装備することが当り前になることが期待される。

大ヒット商品の舞台裏 ヒヤリ・ハットに『ペダルの見張り番』

《カーケアプラス編集部》

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