【SUPER GT】激戦区GT300クラスに挑むアウディR8勢…開幕苦闘もシーズンでの飛躍に期待

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#21 Audi Team Hitotsuyama(ドライバーは柳田真孝=左端と、R.ライアン=その隣)
#21 Audi Team Hitotsuyama(ドライバーは柳田真孝=左端と、R.ライアン=その隣) 全 10 枚 拡大写真

8~9日の岡山国際サーキット戦で開幕した今季のSUPER GTシリーズ。ドイツ車のGT3規定マシン等が多数参戦、激戦区となっているGT300クラスに挑む「アウディR8 LMS」の2台にとっては厳しい開幕戦だったが、両チームにはシーズンでの飛躍が期待される。

開幕戦の決勝レース前、ドライバーやチーム首脳にエンジニア、メカニック、レースクイーンらも含めた全スタッフによる集合撮影を行ない、オープニングレースでの躍進を誓ったアウディR8 LMS勢2騎。しかし、決勝の展開は思ったようには運ばなかった。

まず、昨季1勝を挙げてシリーズ3位に入り、今季は王座獲得にも期待がかかる「Audi Team Hitotsuyama」が、レース直前のウォームアップ走行で他車に追突される不運なアクシデントに遭遇してしまう(相手方のマシンに、この件が理由と見られるペナルティが出ている)。

柳田真孝の加入により、リチャード・ライアンとのGT500クラスチャンピオン経験者同士という超強力コンビ結成を実現してシーズンに臨んだ#21 Hitotsuyama Audi R8 LMS(タイヤはダンロップ)だったが、いきなりの苦境である。グリッド上でも修復処置を続けての決勝出走に。しかもセーフティカー導入等が相次いだ波乱のレース展開は#21 アウディの戦略にマッチした流れとはならなかったようで、苦闘が続いた。

しかし、それでも12番グリッド発進から2ポジションダウンの14位でゴールを迎え、今後へ向けてのデータ収集も果たした。予選日にもトラブルが出ていたことを考えれば、今後、順調に戦うことができさえすれば自然とスタートポジションも上がり、決勝でも戦略を機能させられる幅は広がるはず。このチームとドライバーなら、開幕戦ノーポイントの出遅れからの挽回も可能だろう。期待したいところだ。

そしてもう1台のアウディ、「Team TAISAN SARD」の#26 TAISAN SARD R8 FUKUSHIMA(山田真之亮&ジェイク・パーソンズ/タイヤはヨコハマ)は開幕戦の予選で25位となり、決勝では4ポジションアップの21位で完走を果たした(山田選手の名前の読みは「しんのすけ」、パーソンズ選手はパーソン選手と表記される場合あり)。

#26 アウディのドライバーは20代の若手気鋭ふたりだが、TAISAN、SARDという日本レース界おなじみの一流どころが彼らの成長を支える。TAISANはGT300の王座獲得経験豊富な陣営で、SARDは昨季GT500王者チーム。そしてチーム監督は元F1ドライバーの野田英樹氏が務める。

走行量的な面で準備万端とはいかない状況下でも、荒れた展開のなかで#26 アウディは今季初戦を完走。この実績はいろいろな意味で今後に活きてくるはずだ。強豪揃いの30台による厳しい戦いのGT300クラスだが、こちらのR8も徐々に戦闘力とポジションを上げていくことが充分に期待できよう。

両チームをサポートするアウディ ジャパンの斎藤徹社長は開幕戦に来場、決勝前には両チームとの集合撮影にも参加した。「新型になったR8 LMSは今年でGT300参戦2年目を迎えます。昨年はAudi Team Hitotsuyamaがツインリンクもてぎ(11月、第3戦代替戦)で優勝を遂げ、シリーズ3位という好結果を残すことができました。今年は両チームとも、より戦闘力が高まっており、さらなる飛躍を期待しています」と語り、「こうしたカスタマーレーシングはAudi Sportの活動の柱のひとつでもあり、今後はさらに注力していきたいと思っています」と、中長期的かつ継続的なモータースポーツ活動充実への意欲も示している。

メルセデスやBMW、ポルシェといった同じドイツ勢のGT3規定車はもちろん、JAF-GT規定車(マザーシャシー=MC使用マシンを含む)にも手強いライバルの多いGT300クラス。昨季、GT3規定車ではシリーズランク最上位を記録しているR8 LMSはひとつのベンチマークともいえる存在で、このクラスのハイスタンダードを象徴するマシンでもある。その活躍にはアウディのファン以外からも熱い視線が注がれることになりそうだ。

SUPER GTの次戦は5月3~4日、富士スピードウェイへと戦いの舞台が移る。

《遠藤俊幸》

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